読み直し

2021年5月8日 エッセイ
再録ですみません。自分に向けての読み直しです。

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○枡切りされる という事
2003年12月3日 不思議な話

枡という秤がある。

四角い木の容器で、お米や粉なんかを量る時に使うのだが、小さいのは日本酒を飲むのにも使っている。

一枡二枡と量る時に、もう片方の手で山盛りになって溢れた部分をサっと払って表面を真平らにするのだが、これを枡切りというのだとか。

人の人生でもこれは起こる。

余分に出っ張ったり、欲しがりすぎて抱え込んだりした時に、サっと切られて平らにされてしまう。

人生は、結局最後にはプラスマイナス・ゼロになるように出来ているのだろう。

私にはとても傲慢で思いあがった所がある。

人を人とも思わない面がある。

恩義を感じず、誰かが私の為に何かしてくれても「当たり前だ」と思ってしまう面がある。

私は、自分のそんな一面をとても痛い思いをして、初めて知った。恥ずかしいが、本当につい最近の事だ。

それでも、気がついた時、人は変わる事が出来る。でも、傷つけてしまったものは元には戻らない。

覆水盆に帰らず。

元通りにはならないけど、新しい器に新しい水を汲む努力はした方がいい。

来世があるのかは知らない。

でも、もしあったとしたら、自分がやった事はどう現れてくるんだろうか。

とても怖い。
でも有るのか無いのか判らない来世の事よりも、もっと怖い事がある。
それが、現世での「枡切り」だ。

ある1人のお金持ちの奥様がいた。旦那さんの稼ぎで随分と贅沢に暮らし、それを当たり前だと思っていた。
彼女の趣味はプランドあさり。自分の稼ぎで買うのならいいが、旦那さんの給料でそれをやる。そしてとてもプライドが高くて見え張り。
旦那の事を、お金を運んでくる奴隷とでも思っていたのか、とても扱いがぞんざいだった。

1人娘がいて、溺愛していたのだが、彼女はどうした訳か盲腸を長いこと「ちらし」ていたのだそうだ。


結婚が決まり、式の日取りも全て整った頃、彼女は娘に、今まで気になっていた盲腸の手術をしてはどうかと言った。
娘も式の当日に痛くなっては大変と思い、手術をしたのだそうだが・・・。


どうして、そんな事が起こるのか、麻酔のミスで娘は植物状態になり、結局そのまま亡くなってしまったそうだ。
結婚式の日が、まさかの出棺の日になってしまい、白装束はウエディング・ドレスを着せたという。


友達が近所の人の話として、教えてくれたものだ。



とてもよく出来ている。嘘かも知れない。
でも、私の周りにはこれとよく似た話が溢れている。
師父の妹の話もこの部類だろう。
何千万円にもなる退職金で一気に家のローンを返そうと計画して、豪華な一戸建てを無理して買った人がいたが、定年の一年前にガンになり、定年までいられずに退職金がパアになった人も知っている。

その人は、人に好意を持たれるような事は一斉しない、自分の考えが一番正しいと思って行動するような人だったので、そんな結果になっても、誰も同情すらしなかった。

ガンとローンを抱えたその人がどうなったのか、誰も興味が無いので知らない。

よく見れば、そんな出来事は巷に溢れかえっている。

枡切りは本人では無く、一番大切なものに来るみたいだ。

自分の行動振り返って、枡切りされないようにしよう。

一度始まったら、誰にも止められない

なんかホラー映画のキャッチコピーみたいだな・・・

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