サイレントランニング

1972年 アメリカ

ブルース・ダーン 他

自然破壊が進み、植物が絶滅した世界。青空は無く、空気は淀み、気温は24°に設定され、食べ物は工場で作られた人工のものばかり。

いつの日か自然を復活させる為国の政策で残った種子を宇宙空間に移し、それの管理を担当し育てている男の話なんだけど、この少々偏屈な男の役がブルース・ダーンによく似合う事。

サイレントランニングとは、「無音潜行」の意味なんだそうだ。政策が突然変わり植物は不要となった為育てているドームの爆破を命じられるんだけど、男はそれを拒否して遭難を装い暗黒空間に逃げ込む。この題はその事を意味している。

ドーム破壊には小型の核爆弾を使うんだけど、その起爆装置に日本の国旗をイメージさせるデザインを使ってたり、テクテクと宇宙船内を可愛く歩き回るドローン達の中にはベトナム戦争で負傷し身体障害を持ってしまった元兵士達が入って演技してたり、脚本にマイケル・チミノがいたり、宇宙船内の撮影には本当に朝鮮戦争やベトナム戦争で使われていたミサイル巡洋艦空母ヴァリーフォージを使ってたりする。

そして主題歌を歌うのは、当時フォークの女王と呼ばれたジョーン・バエズ。

揃ってるね。

主役の名前は「フリーマン」だし。

監督のダグラス・トランブルは「2001年宇宙の旅」「アンドロメダ」の特撮を手がけた人だとか。

SFだけど、お金はあんまり掛かってません。でも考えさせられる。

この作品から既に45年経って今の地球はどうなってるのか、みんなで真剣に考えましょうよね。

ラストは人間のいなくなった場所で、ドローンだけが植物を育てている。ブラッドベリーが描いた世界だ。

だけど、最近の国対抗大バカ口喧嘩を見ていると、本当にこうなるんじゃないかと思えて来る。

恐ろしい事です。

ジョーン・バエズ「リジョイス・イン・ザ・サン」

https://m.youtube.com/watch?v=TS0qqptJBU8