顔役 [DVD]

2015年11月10日 映画
「その男に触るんじゃねぇ!」

銃で撃たれて瀕死の健さんに駆け寄ろうとする周りの者をどやしながら、真っ直ぐに向かってくる鶴田浩二。

その姿を見上げてウルウル目で嬉しそうな表情を浮かべて息絶える舎弟の健さん。


ラスト近くは「女人禁制!」と言うデカイ横断幕を掲げたかの様なサブの世界感満載で、しびれました。


2人が死にに行く道行でも、この後に延々と続く池部良とのヤクザモノとは違い、とっても爽やかなんですわ。


「兄貴が死ねって言うから、俺は喜んで死ねるんだ!」と言うかんじで、かなり危ない幸福感に満たされた健さん。下手すりゃ鼻歌でスキップしそうな勢いが有りました。

使ってる曲も洒落たJAZZで、乗りがいいです。「網走番外地」のメロディーの原型も使われてましたね。

これはお正月映画だったそうで、東映オールスターが出揃ってます。

天知茂と健さんのやりとりなんて、もう堪りませんわよ、オクサマ!(誰に言ってるんだかな)

それにこの前年は「ジャコ萬と鉄」や「ならず者」「狼と豚と人間」等々、健さんのキャリアの中でも傑作だなぁと思われる勢いのある作品が並んでいます。石井輝男監督は的確に健さんの「波」を掴んでましたね〜。

しかし、この作品は製作中に何らかのトラブルが有って監督の交代が有ったらしいです。最初は深作欣二が監督をやるはずだったらしい。なので脚本に名前がクレジットされてるし、内容がとても社会派です。


だけど、ちょっとヘン。




でもいいの。


そのおかしな所を、面白く書いてくださってるページが有ったので貼り付けて置きますね。ホントこの方の言う通り!
http://blog.goo.ne.jp/langberg/e/04fc3e350aa29fe9557c9746262f184c


蛇足の補足。

本筋とは関係無いんだけど、待田京介と藤純子がデートする「漫画映画」はディズニーの「王様の剣」。これはウォルト・ティズニーが公開を見届けた最後の作品なんだって。因みに日本公開は7月18日で、画面には「本日初日」の文字が見える。石井監督のゲリラロケなのかな?セットとも思えないし。しかし、出演者は皆お正月映画に合わせた真冬の格好。涼しそうな顔して演じてる役者さんって、ホント大変な仕事ですよ。50年前のミッキーびっくり箱も見られます。箱もチップとディールの絵が描いてあるよ。


気になって調べたら、この時期ディズニーランド計画の最初の段階が始まってたらしい。って事は、もしかして映画の舞台になってる埋立地って、今のディズニーランド?何かでタイアップしてたの?こんなに分かりやすく他社の映画のポスターや商品が出るのって無いよね?


あの埋立地を担当する為に、本当にこんなヤクザの利権争いが有ったのかいな?

えーーーーーー!?(°_°)

深作欣二監督が東映と喧嘩して降りたのって、もしかしてそういう事?

で、石井監督が、ゲリラロケで深作監督の仇を討って画面にねじ込んで上映した?

本当に本筋とは関係無いシーンなんだけど、もしかしたら1番重要なシーンなのかもね。(深読み顕示)

☆目指せ!高倉健全作制覇 206/167本目。コンプリートまで、あと39本。

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