山門から玄関までの、一本道。
2014年2月19日 エッセイわしの実家の菩提寺は、高崎の向こう安中のこちらと言った辺りに戦国時代からひっそりと建ってます。
火事で燃えたり火山灰で埋まったりと、昔は色々大変なことが有ったらしいですが、ここ100年位は何とか穏便に過ごしてたとか。
そこにこのドカ雪ですよ。
積雪はゆうに80センチを越えたらしい。近くの軽井沢や伊香保温泉も凄かったから、まぁあんな感じ。
御歳91(確か)になる尼さんが1人、1匹の老猫と住んでますが、この雪でどうしたろうと気になり電話してみました。
そしたらまあ、元気な事。良かったわ〜。
雪かきなんかどうしたのかと思ってたら、さすが田舎。ご近所や檀家集が来て道をつけてくれたそうだ。
それが「山門からの一本道」。
前の週に降った時は、車が止められるようにと境内を綺麗にはけたらしいんだけど、今回はとてもそんな余裕は無い。
なんせ80センチだよ。雪をかいて歩く事だって大変だし普通乗用車が一晩でスッポリ埋まった地域だもの、歩ける道が在るだけで有難いよね。
んで、何とか生活には支障が無くなってはいるんだけど、お墓もお寺も何もかも雪に覆われてて、とにかく物凄い景色になってるらしい。
上から降り積もった雪と、下から積み上がって来た雪が吹き溜まってくっついて、本当にスッポリ埋まっちゃってるんだって。
尼さん曰く。90年この家に住んでるけどこんな景色は見た事ないとか。
不謹慎だけど、その景色観たい!!!
だけど考えたら、お寺だから何とか辺りに知られてるけど、世の中には1人でひっそりと暮らしてる方達だって沢山居るだろう。
その人達の玄関は、ちゃんと開けることが出来てるんだろうか?
仮に玄関は開けられたとして、庭に積もった雪をかいて、門扉を開けるまでが出来てるだろうか?
今回の一晩で積もった雪を前にして、「人は自然の前に無力だね」と言う尼さんの言葉がズシリと響いた。
本当に、無力。
謙虚であれ、自分。
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