暴力

2012年12月11日 映画
暴力
暴力
1952年 東映  脚本 新藤兼人


「パンスケはハンドバッグを持っているから見分けが付く」んだそうだ、


戦後すぐの大阪は天王寺ウラの辺りに住む人々の、生活の臭いがしてくるような作品。


その場所を題材にホンを書く予定の女流作家を案内する「センセイ」が、落ち着いた口調で、まるで動物園の檻の中の動物を説明するかの如く、事こまかに話して行く。


この街では、人が値段を決めるのではなく、値段が人を選ぶのだとセンセイは言う。




値段に選ばれ「そういう人達」が集まり、何時しか抜け出られなくなる蟻地獄のようなスラムの中で、必死に生き抜こうとする逞しい女の物語だ。


主人公の女は、喧嘩で血まみれになった男を観て「ヒッ」と声をあげて目をそらす女流作家を鼻で嗤う。


この場所で生きた事の無い、生き抜く力も無い人間に、そこを舞台にした小説やレポートなどが書けるのかと、新藤兼人の切っ先は鋭い。



まだうら若き美青年の木村功が、ケチな車泥棒の役で出ている。


功も早死にだったなぁ。



写真1 日高澄子は派手な美人女優でした。

写真2 このお婆さん、わしには赤木春江に見えるんだが・・・。



















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