最近やけに1972年物に出会うなぁと思ってたら、この「寅さん」も72年制作でした。


見直すと、やっぱり良い作品だねぇ。役者がみんな上手いし。


子供の頃は家の中でケンカしている姿を見るのが嫌で、それだけで大嫌いな映画だったけど、子供の理解力なんて所詮その程度だわな。


それもこれも、生きていないと解って行かないもんだし。


んで、ふと気が付いた「とらや」の店内の張り紙。


白い大きな紙に縦書きでこうあった。




言葉は心


一つのことばでケンカして


一つのことばで仲直り


一つの言葉で頭が下がり


一つの言葉で笑いあい


一つのことばで泣かされる



これにどこぞのナニナニと三行分文字が書いてあるんだけど、わしんちのテレビ画面では判読不能。


多分どこぞのお寺か神社の氏子中とか書いてあるのではとも思います。



丁度寅さんが「それを言っちゃお終いよ」とお馴染みの台詞を言うシーンで、皆がそれぞれに口を滑らせて誰かを傷つけてしまうという場面に、さりげなく、でもえらく存在感のある画面割で登場してました。


山田監督って、この画面割が楽しい。端っこの何気に見落としかねないシーンの役者の演技が面白かったりするんだよね。



効果的な使われ方をしているので有名な詩なのかすらんと調べてみたら、どうも作者不明らしい。


谷川俊太郎作とも北原白秋作とも言われつつ、違うらしい。


禅寺の坊主あたりがアヤシイ。


んで、はっきりとした原本が無いので、扱う人によって漢字がかなになったり混ざったり、頭がさがるのが「お辞儀」になったりしている。実際はもっと長いものだというし。



「ことば」とひらがなで書くと子供達の話のようだし、「言葉」と漢字になると大人の世界の話の様だ。そして最後の所で、みんなで素を出してこどもの頃の様に泣くといいよと言っているようにも見える。




たった一枚の紙の中で、これだけの表現が出来る日本語って凄いなぁ。



んーーーーー、この紙書いたのはエイロクスケっぽいな。(推測のみ)




元がハッキリしていないので何とも言えないんだけど、言葉言葉と漢字でズラズラ書かれるとまるで「オヤジの小言」みたいでうっとぉしい。


ヘソ曲がりのわしはついついケチの一つも付けたくなるんだけど、これ位でサラっと表現してくれると、スーっと心に染みて来るから不思議だね。



自分も、無駄の無いことばを話せているのかしらねぇ。












コメント

なな
2012年6月27日14:37

「寅さん」、傑作だと思います。本当に、何気ない寅さんが言っていた言葉が、今考えてみると、とても深い意味合いだったりするのですよね。言葉って人を天国にも上げるし、地獄にも落とせる。私も、もっと言葉遣いに気をつけないとと思いました。

*
2012年6月27日20:17

こんばんは!
お昼休みにタイトルに惹かれて日記を拝見させて頂いた者です(笑)
あのシーンの、あそこに貼ってあるから
貼り紙の言葉に、しみじみしてしまいますね!
楽しい文面で、笑ながら読ませて頂きました
ありがとうございました♪








ありす
2012年7月7日0:19

ななさん

そうですね。本当に言葉は癒しにも凶器にもなりますもんね。自分の環境を良くするのも悪くするのも自分自身なら、出来るだけ良い環境と関係の中で生きていたいと思います。お互い出来る範囲で頑張りましょうね。

ありす
2012年7月7日0:24

***様

はじめまして。カキコ多謝ですっ!

こちらこそ、わざわざありがとうございます。

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