キム・ギドクの作品を観ていると、この人は育つ段階でものすごく不条理な出来事に遭遇した為精神的に歪み、極度の人格障害を患ってしまっているのかもなぁと、ついつい思ってしまうのだ。


それでも、自分の思いをひとつの作品として世界に発信するだけの力と頭脳と行動力があるのはめでたい事だよね。


もし表現者としての行動を起こさなければ、ただの歪んだ凶暴な性犯罪者になっていた恐れもあるわけだし。


高い知能と更に高いプライドを持ちながら、思ったほどのカリスマ性もビジュアルも持ち合わせていないアンバランスさが、観る者に(わしだけかも)変な勘ぐりをさせてしまう。



今回一言も言葉を発しない寡黙な死刑囚の役を、たったの4日間でやりあげた張震の美しい狂気をはらんだ顔がステキ。



セリフがないのに「頭がかなりイカれてるけど、まぁいいか。死ぬ前に一度ぐらいこのオンナとヤレるのかなぁ、ヤリたいなぁ」と観客(わしだけ?)が心の声を聞いてしまうような錯覚を覚える見事な演技です。




基本的にヘンな映画だし、多分刑務所の設定や死刑囚の描き方もヘンテコだとは思うけど、キム・ギドクが「作らねば、誰かに観てもらわねば、ぼくの心はきっと爆発してしまうっ!」との思いで(ホントかよ)作った情熱だけは伝わってきましたな。



願わくば、お父さんはお母さん以外の女性に手を出さないで、お母さんを大切にしてあげてください。


そして、お母さんも自分の感情に振り回されて家の中を生き地獄にしないでください。


家族は仲良くしてください。



ぼくはそれだけが望みです。


そうでないと、そういう家庭で育った子供の心は歪みます。


by ギドク



そんな映画です。



監督、私もそんな家庭で育った子供の一人ですよ。だから、なんだかあなたの作品に嫌悪感を感じながらも、いつも目が離せません。
















コメント

nophoto
Prithviraj
2012年8月14日7:26

This info is the cat’s pjaamas!

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