お盆前の暑い日に、近所の公民館で現在ベルリンで活躍している日本人オーボエ奏者の演奏会があったので、行って来た。

伴奏のピアニストも、同じくベルリンで活躍している日本女性だ。

地元の文化事業団主催のコンサートだったので、びっくりする程安いチケット。なので、どれどれ本物とやらに触れてみようぢゃないのと、呑気に出かけたのだった。

そしたら、まあ、いゃあ、本当に本物だったさ。


あの余裕はなんでしょか。それに、あの素直な音っ!


余裕の有る音に触れて、たちどころにフニャンと砕けたわしの緊張。オーボエの音の良さが存分に引き出せるその演奏力。いいわ〜

ピアノ奏者の、でしゃばらず引きすぎず、でも確実なテクニックと表情も、聞いている者を安心させる。

それは勿論お2人の日々の鍛錬の賜物なんだけど、それに加えて「他人に認められ、必要とされている自分の演奏力」に対するプライドが加味されてるんじゃなかろうか、とな、思う訳だ。

お2人とも普段は単独で演奏しているのではなく、オーケストラにいたり、コンサートの伴奏者だったりと、常に自分以外の人達に伴って演奏する機会の多い仕事をされている。

つまりは、メジャーなスターでは無いという事だ。今はまだ知る人ぞのみ知る存在。

そして、時々里帰りコンサートを開いて、本場の演奏を小規模なハコで披露してくれているのだ。


常に鍛えられ、研ぎ澄まされているミュージシャンの音には、傲慢さの微塵も感じられない。

一つ一つの音を、丁寧に表現しながら、そこに自分自身を表している。

音は、その人となりを、素直に映し出してしまうものだ。

本物に触れると、こちらまで背筋が伸びる思いがする。


果たしてわしゃ、デイの音楽倶楽部において丁寧で素直な声を出す事が出来てるんだろうか。


日々精進だわなぁ。

勿論お2人とも緊張はするだろう。だけど、それを観ている観衆に感じさせない。それがプロなんだよね。

人前に出るからには、たとえお金が絡まなくても、その気持は持ちたいよな。

コメント

miyuboe
miyuboe
2007年8月29日18:48

ボエの音って心の中に響きますよね〜〜
本当に余裕というのは、日々の鍛錬によって、生まれて来るんだと思います。ボエはオケの中でも主役になる場面も多くて、管楽器の中で一番難しいといわれるのは、他の楽器が楽器のよしあしだけで決まるのに対し、消耗品であるリードの製作が技量にも負けず必要となって、楽器のメーカーやランクによっても音は変わるけど、日々、しこしこと削っているリードをいかに操るかなんですよね。
なかなかそのリード作りが出来ないでいます。
大きなソロもあるので、明日こそは練習しようと思います。

ありす
ありす
2007年9月4日20:51

miyuboeさん
そうそうっ! なんと言ってもあなたにはオーボエがあるんですからねっ! 一生懸命に良い音を追求している内には、また人生が別の展開を見せるかもしれませんよ。

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索