さっき歯医者の帰りに、カンカン警報機の鳴ってる最中の踏み切り内で自転車ごと倒れこんでいる婆様と遭遇した。

これはほっとけないべと駆け寄ったら、反対側の線路を電車が通過するとわかり、ちょっとほっとしたよ。

だけど、なんでまたわしの目の前で自転車がコケるかな。

ペタリと座り込んでビビってる婆様に「大丈夫ですか?」と声を掛け無事を確認している内に電車は通過。遮断機が上がってから倒れた自転車を起こそうとしている間にまたカンカンと警報機が鳴り出した。

今度はこちら側の線路に来るぞえっ。わしも少しビビったさ。おまけに婆様の自転車の重いこと重いこと・・・

こぼれた買い物の中身や帽子やらを拾い、婆様もヨロヨロと起き上がって踏み切りの外に出るか出ないかで、またまた電車が通過。

丁度夕方のラッシュ時だから、間隔が短いんだよね。だからなかなか渡れない時もあるさ。気持ちは解るよ。

「東京の遮断機はすぐ下りちゃうのよねぇ」とか、婆様は無理やり入った自分の過失を認めようとはしない。


もったく、もうっ! カンカン鳴ったら渡らないのよっ。目の前で電車に跳ねられる人を見る方の気持ちにもなってよ。頼むよ〜


可哀想なんだけど、少し言葉がキツカったかもな。もっと優しい言葉が、なんで掛けられないんだろう・・・

一番悪いのは自分だと、婆様は十分反省してるだろうし。こんな時は、怒ったって仕方ないって解ってるのに、つい怒っちまった未熟なわしだ。

それにあの細い身体に、あの自転車は重すぎる。めったに自転車に触らないわしには、まるでバイクを起こしているような錯覚を覚えたよな。


電車が過ぎる前にお礼の言葉を言いながらヨロヨロと婆様は去り、線路を渡る時、反対側からやってきたママチャリの後ろに座ってた小さい子供の「轢かれちゃうかと思った〜」と無邪気にお喋りしている声を聞いた。

なにはともあれ、よかったよかった。

わしも気をつけよう。今まで運転時信号が黄色で交差点に突っ込んでも事故にならなかったのは、万に一つの奇跡。

そう。みんなその万に一つの奇跡の中で生きているんだから。

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