この世には、場数を踏まないと出来無い事が沢山ある。

先週書いた「倒れた人に対する声掛け」もその一つ。

あの時はわしが率先して声を掛け、駆け寄る事が出来たけど、実はわしだって10年前は2人の子連れ達と同じように固まってしまう人達の1人だったのだ。

だけど、そんな中でもサッと駆け寄れる人の姿を見る機会が多かった。

で、訓練出来た訳だ。

そして、そういう行為は、何も倒れた人に対してばかりではなく、迷惑行為を受けている人に対しても同じ。

ついこの前なんだけど、帰りの電車の中でチカンの現場に遭遇した時の事だ。

ギュウギュウの満員電車の中で、なんだか怪しい手がわしの股間のチョイ手前に有る。だけど身動き出来無い状態だし、たまたま手がぶつかっているだけかも知れないと思われたので、とっても用心して様子を見た。

しかしだ、電車の揺れに合わせて次第に密着が緩み始める人々の中にあって、その手は相変わらず、付かず離れず其処に有るのだ。

わしの前には長髪の若い女性の背中があって、その左隣にブサイクな50代後半に見えるオヤジがくっ付いている。

手はそのオヤジのものだった。

オヤジの後ろはもう電車の壁。誰も居ない。

すこし揺られていると、オヤジの後ろには、ポッカリと隙間が出来始め、奴はチラリとその様子を伺う余裕も有る。

でも自分の身体は相変わらず長髪の女性の肩に密着させたまま。どちらかというと、わざとのしかかっている様にも見える。彼女の右はまだギュウギュウ状態で、そちらに逃げる訳にも行かず、その子は何となくモゾモゾ動くのみ。

彼女と向かい合うような形で、もう1人若い女性がいて小説を読んでいたのだが、オヤジはその中を覗き込むようにそちらにもくっ付いている始末。

あの背中の隙間を知っていながらのその態度は、もう確信犯だわな。

んで。

わしが動かせるようになった左手でパンパンパンとかなり強めに奴の肩を叩き、「チョットそちらにズレて頂ける?」と彼の後方を指差しながら言い、その手で女性の身体を右に少し押した。

当然周りの注目も集まるわいな。

オヤジは強張った顔しながら身体を離し、長髪の女性は少し振り向き気味の姿勢でコクっと軽く頭を下げてくれたよ。

全くねえ、気持ちの悪い変態オヤジだわよ。

後で因縁付けられても困るので、奴に思いっきりガン飛ばしてやったさ。そしたら下向いちまいやがんの。

次の駅で彼女は降りていったけど、顔見たらまだ20代って感じの子で、いかにもチカンに逢いそうなタイブではあったわな。

あの手も、たまたまわしの股間近くにあっただけで、実は彼女のお尻を狙ってたんだわな。

あれまぁ、だ。オホホホホホ、とんだ勘違い。

でもねぇ、そんな時に、まったくドキドキもしない自分って・・・

わしって本当に8〜9年前頃は、バニック症候群で外出も出来なかった人なのかすら・・・

それとも、ただ歳とって鈍くなったってだけの事?

はひ〜ん(T_T)

まぁ、日々これ鍛錬のみって事よねぇ。

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