先日の事。

仕事帰りに、ほぼ満員の電車の中で、今はもういない浅草の若旦那によく似た男の子と隣り合わせになった。

二人して窓に向かって立ったので、何となく前を向いていれば嫌でも窓に映る姿が目に入ってくる。

んで何気にぼ〜っと暗い窓に映るその顔を見た時、一瞬本人か?と思うほど面影の似ている人だったので一寸驚いたし、嬉しくもあった。

だから暫くの間、見るともなしに見入ってしまったさ。

180?は軽く有りわしとはかなりの身長差なので、多分わしが何気に見てる事なんか気付きもしなかろう。

第一わしゃ、彼の目線の遥か下に居るしの。

うひょひょ(変態

急行だったので、駅に着くたびにかなりの人達が降りたり、空いた席に座ったりで空間が出来始めるのだが、わしらの前に座っている人達の動きは一向に無い。で、暫く隣同士で立っていたのさ。

しかし、だ。

わしの降りる駅の一つ前で、彼の前に座っていた人が降りた時の事だった。


若い彼も疲れていたんだろう。ヤレヤレと言った顔で座ったとたんに、何故かわしを見上げたのだ。

わしはわしで窓越しぢゃなく、生の正面顔が見たくて丁度見下ろした所だったので、上手い具合に二人の視線がそこでガチンコしちまいますただよ〜。

いゃあ〜ん。(照;

そしたらだ。

彼のくりくりした大きなお目目がわしの視線をガッツと受けたとたんに、まるで電気に触れたようにビクッとお尻を浮かせてそのまま立ち上がっちまったぢゃないのっ!

「あっ、すいません。どうぞ」

へっ? それってわしに席を譲るって事?

降りたのはチミの前の人で、わしの前の人ぢゃないから、いいのよ、気にしないで。

わし「あらあら、いいですよ」

青年「俺、もう次なんで。座って下さい」

わし「わしも次だで、結構でがんすよ」

二人で麗しい譲り合いをしてたら、どこからかひょろ〜っと中年女が割り込んで来て、しらっとした顔して座わられちゃった。

厚顔無恥。

いやいや、今時珍しい厚塗り化粧の方ですたがの。

その後、何となく二人は微笑みを交わし合いながらそのまま立ち続け、同じ駅で降りると、仲良く手に手を取って何処かへ消えて行きましたとさ。

な、訳は無い。


偶然降りる方角も同じだったので、気になって暫く後ろ姿を見送ってたけど、その後はもう一目散に帰ってお風呂入ってご飯食べたさ。

小説のような、映画のような出会いなんて、そうそう有るもんじゃない。

だけど偶然とはいえ、あんなに若旦那に似てる男の子と隣合わせになって、おまけに少しだけど会話したってのは、チョット面白かったな。


まぁ・・・、席を譲られたってのが、何かわし的には解せないのだがの・・・・・。




わしゃ、そんなにものほしそうな姥顔しとったのか〜〜っ!!!

涙・・・・・

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