水の中のナイフ

2006年10月18日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 1999/12/10 ¥4,935
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-意地をはる-

諸悪の根源は、此処からスタートするんだよな、まったく。

最近のマイ・ブーム「古めか映画祭*70年代以前」の中で選んだ作品を観るにつけ、この話ったら真っ先に「ごめんちゃい」って謝ればその場で終わっちゃう話ばかりだがねというがあまりに多いのだわ。

これだけ多くの作家達が意地張ったって何も良い事無いよというメッセージを発していながらも、21世紀になったって人々はまったく懲りていないんだもんね。

思うに、人間って個人的に手痛い思いをしない限りは根本的に理解出来ない仕組みに成ってるのかもしれないね。

頭でっかちの内は、まだまだなんだよね。

この作品も、そんな意地っ張り達の話だよ。

この作品を作ったポランスキーは、何故か昔から好きな監督の1人だった。何となく、彼の作品の奥底に愛に対するノスタルジーと人間を信じたいという願い、茶目っ気のあるユーモアセンスを感じるから。

でも実際には信じ難い程の残酷な体験ばかりをしてしまった人だ。

それでもデビュー作のこの作品には、人を愛し愛されたいと思う気持ちや人との関係をキチンと大切にして行きたいという願いが、短い時間の中でキラキラしている。

ラストは思わず噴出してしまう程のとぼけたシーンで終わるしね。

結局どうするのあんたらって、画面にむかって声掛けちまったさ。

しかし、ここに出てくる女性。結構やり手ですわ。真相は彼女しか知らないんだからね。したたかだよねぇ・・・

この「結局男は女にはかなわない」っていうテーマというかボヤキっていうのは、ポランスキー作品にはホント良く出てくるよなぁ。

そんな正直な所が好きなんですけどね。

「戦場のビアニスト」が撮れるまで長生き出来てよかったよかった。

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