早三回忌

2006年10月4日 エッセイ
何で亡くなってから二年目なのに「三回忌」って言うんだ?

これは先日無事最終回を迎えた夏の連ドラ「結婚出来無い男」の中での、阿部寛扮する主人公がつぶやく台詞。

ホントにねぇ、どうして三回忌なんだろか。

その後に続く七回忌も十三回忌も、みんな一年早く法事をするのが決まりになっている。

元々は中国から来た風習で、一年早くする理由は調べても良く判らなかった。もう少し調べてみるか。

確か香港ホラーか何かの中で、法事が一日でも遅れたら死者は悪鬼となって永遠に苦しんでしまうとかいう台詞があったと思う。


だからわざと一年早くやって、ウッカリ遅れを防ぐのが目的だったのか?


一周忌三回忌とは、埋めた遺体を掘り出して別の場所に埋める儀式で、こうやって悪鬼に見付からないようにしておくらしい。で、七回忌になって初めて焼き、土に返す風習だった気がするんだけど、最近脳が緩くなってるからなぁ・・・。

それに最近は土葬でもないしで、単に習慣だけが残ったってだけなんだよね。

七回忌以降は日本の武家社会で作られた「お寺への献金目的」の意味もあったというしのぅ。

まぁ、気は心。亡くなった人に対する哀悼の気持ちがあれば、形に拘る事はないんだわな。

という様な事を、今回見事に自分達が突きつけられた。


早いもので義妹が無くなってもう今年で三回忌を向かえてしまうんだけど、なんとあの愚っさん(義妹の夫)から誰にも何にも音沙汰が無いのだ。

当時あれだけ父親を庇っていた義妹の娘達からも「お父さんは最近仏壇の掃除もロクにしていない」とか言われる始末。


いつも「俺は何でも知ってる。何でも出来る」と肩肘張ってる男だ。最近ではみんな何にも言わないで見守る体制に入ってしまった。

大変なんだよね、お母さんもお姉さんもご病気が重くて。ご自分の体調も悪くて。

まぁ、これ事実なんだけど。

しかしせめて三回忌の法要位はしてやりたいと思ったわしらは、何度か彼との交信を試みて来た。

メールや電話にメッセージを残す形でね。

直接会社に電話しないのがミソ。


ホント申し訳ないけど、もうそこまでするほどの気持ちはわしらの誰にもないのだわ。

今日まで待って何の連絡も無いので、わしらはなんと当の喪主家族不在のまま、義妹の三回忌をとり行う事にした。

兄夫婦と弟夫婦、そして母親。

お墓はまだ無いし、遺骨の置かれてるお寺も知らないしで、坊さんも来ない本当に簡略の「偲ぶ会」なんだけどね。

娘達には、後で話しが行くのか行かないのか、もうそんな事どうでもいい。

彼女達に父親の不甲斐無さ、誠意の無さを知ってもらういいチャンスだ。

こういう事は口やかましく言っては返って反感を買われるだけ。

ねえねえ、三回忌ってなに? お母さんの三回忌って何時やるの?
と気付いてくれなくても、もうかまわない。

彼女達はもう幼い子供じゃない。日本の法律では、とっくに二人とも結婚して子供を作れる年齢だ。

母親はすでに他界した。父親も最近ではロクに家に帰っていないらしい。義妹を悲しませた昔の病気がまた出たんだろう。今度は娘達にも理解出来るかも知れないね、その理由が。

そして彼女達は自分なりに、自身の置かれた立場を理解してくれればいい。そして、だれが一番自分達の事を考え心配してくれているのかを考えてくれればいい。

昔はただただ口煩かったお祖母ちゃんが、どんなに自分達の事を心配しているのかを、身体で理解するいい時期だ。

この世には「言う事と言わない事」とがある。

言わなくてはいけない事と、言ってはいけない事と、似てるんだけどチョット違う感じもする。


最近のわしは、この言葉の意味が段々判るようになって来たようだ。


とに角口は災いの元。

だから、人に説教なんて愚の骨頂だ。

偉そうな態度で他人に説教垂れてる暇があったら、自分の足元の土台がどうなってるのかを良く確認した方がいいもんね。

という事で、来週は三回忌ならぬ「偲ぶ会」。

秘めやに執り行われるのか、嵐を呼ぶのかは、まだ誰も知らない。

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