DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005/09/28 ¥2,000
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春の連ドラ「弁護士のくず」を見てたら、その回の主人公夫婦がこの映画をキッカケに仲直りするという話があって、久しぶりに観てみようかなという気になって観た。

高校一年の夏に観たきりだったので、実に32年振りだったさ・・・・・

劇場に観に行ってたので、何か感想文が残ってるかなと思い当時の映画ノートをめくったら、こんな事を書いていた。

☆ついおく  ←漢字も書けなかったようだ。

おーニーナ  ではない。(多分西条秀樹の歌の事)

芸達者ばかりなのでおもしろかった。バーブラ・ストライサイドのたいして美人でない顔に赤々しくぬりたくり(何を?)つめなんかまっかっか。ロバートのかわいらしいことよムフフ。主題歌がなんともいえない。

・・・多分16歳になったばかりのわしには、本当の所面白い作品ではなかったんだと思う。

「失われた地平線」との同時上映で、両方とも6〜7行止まりだもの。面白ければ1ページでもガンガン書きまくってるのにこの有様。

つまらなければ文句もガシガシ書いてるので、何となくそれなりに理解はしようと勤めたのかも知らん。

んが、悲しいかな16歳の、それが限界だ。

全くと言っていいほど理解出来ずに、無理に背伸びしてる自分の姿がアリアリと判る。

その証拠に、記憶の中にこの物語が入ってないのだわ。幾つかの場面は覚えていても、主人公達に感情移入が出来なかったので、結果記憶も出来なかった(感動しなかった)んだわな。

前に進む事しか知らない、まだ怖いものに出会ってもそれが解らない16歳が観て面白い作品ではない。

そしてまた、21世紀に48歳になった現在の自分が観ても、やっぱり面白くない。

それは物語を理解出来ないからではなく、この主人公達があまりに自分の感情に振り回されて過ぎていて、本当に見るべき道を見失っているからだ。

皮肉だ。原題は多分違う意味で付けたのに、今になって見ると凄く意味深な題になってる気がする。

もし今現在この作品がリメイクされるなら、結末はまた違ったものになるだろうし、そうなって欲しいと切望するよ。

70年代は、男女の関係はここまでが限界だったけど、これからはもう少し視野を広げて新たないい関係を築いて行けるよきっと、という内容になって欲しい。

しかし、もしこれを5〜6年前に観ていたら、もしかして号泣したかも知れないぞ、わし。

深く深く心に残る名作になったかも知れない。

だけど今は違う。

何でもっと深く考えないんだろうって思う。バカだこの二人と思う。その点が九頭弁護士と同じだった。

私達は違いすぎる。これはロバート・レッドフォード演じるハベルの台詞。

この当時はこれでもうダメだった。違いすぎるからお互いを理解出来ないというのは、当たり前の事だった。

だけど、話が合うばかりの人とでは、実は成長出来無い事をもう多くの人達が気付き始めている。

意見の違う、見方の違う人達がいて、その人達を理解し受け入れてこそ、初めて大人になったといえるんではないか?

この主人公達は、本当はとてもいい友人になれたはずだ。女の方はそれを望んだ。恋人でなくていい、友人として傍にいて欲しいと。だけど男の方がそれを拒絶した。

抱ける女か、それ以外か。支配出来るか、出来無いか。

悲しいかな、今でもまだそんな前時代的な価値観に囚われて、他人といい関係が築けない男達は多い。

女の側も、うっかりするとそのドツボに嵌ってしまう事がある。

だけどそんなこんなの心の葛藤から、わしゃ今どうやら抜け出しつつあるみたいだ。

何となく、一つの堀は越えた気がする。

ぶつかって価値の有る関係なら、その縁は大切にしたい。それも意味のある事なんだろうから。

・・・・・。

何となくだけど、足場が固まって来つつあるのかな、わし。

うん、やっぱ観直して良かったわい。

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