青べか物語

2006年8月29日 映画
ISBN:4101134030 文庫 山本 周五郎 新潮社 1963/08 ¥540
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川島雄三監督・森繁久弥主演。

原作を読んでいないのでどう違うのかは先ず置いといても、とても映画として優れた作品だと思う。

撮影・役者達の演技・場面編集の見事さ。

ああ、いい映画を観たなあという満足感が余韻として残る作品だ。

今現在東京ディズニー・ランドとディズニー・シーの建っている場所で、かつてどんな人達が暮しどんな人生があったのかを知るいい機会でもある。

アジアを良く知らない外国人が観たら、この物語の舞台が日本か香港かベトナムかなんて区別出来無いだろな。

つい50年前まで、日本の殆どの場所はこんな人達がにぎやかに暮らす地域ばかりだったのにねぇ。

今まで観た山本周五郎原作の映画で、外れはないな。それはいつの世になっても、人間の本質が変わらないせいなのかもね。

家庭内暴力の結果妻を身障者にしてしまった夫の話。

男と逃げた母親に復讐する為に、乞食になってその帰りを待つ娘の話。

愛し合いながらも家の事情で引き離され、それでもお互いの事を生涯想い合っていた男女の話。(これには号泣しちまった)

好きな男にツレなくされて、意地張って違う男と心中未遂する女の話。

その他モロモロの話が、心身を患って都会から逃げてきた作家の目を通して淡々と語られる。

不変だな。

ホント、人間の感情って、不変だわ。

リメイクして欲しいのはこんな作品なのにねぇ・・・

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