奥様、お臭い様、おパンツ穿着替えあそばせ。
2006年7月18日 エッセイ
今までは尿モレパッドでなんとか過ごしていたのだが、どうもそのパッドがズレて横モレしてる自覚が無くなってきたらしい。
梅雨でもあり、暑いしで、何となくオマタの辺りに独特の臭いがし始めた。
幸いなのは家の中がまだ臭わない事なんだけど、このまま放置したらそれこそ玄関を開けたとたんに「お゛え゛〜」という生活臭になってしまうだろう。
で介護用のさわやかパンツを取り寄せる事に。
我ながら後手まわしだなぁと感じるよ。やっぱり心のどこかに「まだ大丈夫」という希望があるからなんだろうね。
本人も「失礼ねっ」とか言いながらも、やはり気にはしてるのだ。
マダラに呆けてても、綺麗好きは綺麗好きだからね。わしゃこの潔癖症のお蔭で心身を患ってしまった訳なんだけど、今となってはこの綺麗好きのお蔭で、年寄りの1人暮らし独特のあの臭いがしてないんだものね。
ああ、人生何が幸いするか判らないよ、まったく。
昨日も洗濯してあるスラックスの股間部分に何となく臭いが染み付いているので、新しい夏用のスラックスを買いに行った。
当然いつも座っている椅子の座布団も臭う。
んで、車のクッションにも臭いが付着する恐れがある。
ペットを飼っている人達は日頃から股間全開で歩き回る犬や猫と暮しているせいかこの「股間の臭い」に割りと寛大。
なので老人特有の体臭や糞尿の臭いにも寛大な所がある。
訪問介護をしていた時、物凄くその違いを感じたよ。もっとも臭いは誰にもあるので、それをいちいち気にしてたらわしの様に病気になるんだがの。(今はへーき。
でも強烈な糞尿の臭いは、やっぱり苦手だ。病院のデイサービスに行って、時々使用済みオムツを入れた袋がそのまま置いてあったりすると、もう泣きたくなるさ。
まぁ、この手の臭いが好きっていうのも、あんまりいないとは思うけどね。
なので可哀想とは思いながらも出かける時にバスタオルを持参して、車のシートに敷き、カラオケでもレストランでも敷かせてもらってる。
実は一ヶ月前に、レストランの椅子を濡らしたまま、知らずに帰ってきてしまった事があったのだ。
家に帰ってから車のクッションが濡れてるのに気付き「あ゛〜」となり、慌ててシャワーを浴びさせてから死ぬほどクッションをゴシゴシ洗った。
・・・♪泣きながら〜
姉に話したら「こっちの車もなんか犬乗っけた時の様な臭いが着きますた〜」と平然としていたっけ。気付いたんなら早よ買ってくれや、さわやかパンツをっ!!!
あのレストランにはまだ謝りに行ってないんだよねぇ・・・
・・・(T_T)ご免なさいっ!!! 椅子は大丈夫だったでしょうか・・・・・。やっぱ洗濯代出すようだよなぁ・・・
しかしだ。
姉夫婦は元々アウト・ドア派で車の中もキャンプ用品やらなんやらがいつも入ってて、外国のホテルでも飯盒で自炊する奴らだ。
結構平気なんだな、あの臭いが・・・。
しかし人間も健康状態が悪くなると、排泄物が動物園臭いになるから恐ろしい。
血液がドロドロだからなんだろうけど、時々かーちゃんの後にトイレに行くとイノシシの檻の中みたいな臭いがしてお゛え゛〜となる時がある。
おまけに浅草仕事の後実家に帰って、そんな臭いかーちゃんの面倒見て東京に帰った翌日、自分の排泄物が獣臭いだったりした日にゃ、もう思い切り凹むよ。
最近は暑いので、毎日2リットルはミネラル・ウオーター飲んでるから、そんな獣臭いとは無縁なんだけどね、俺。
本人も「人様のご迷惑になってはイカン」という自覚があるので、バスタオルを敷く事に抵抗しない。
というか、その手のプライドが無くなってしまった程落ちたのかなぁ。わしとしては割と素直に従ってくれているので助かるんだがの。
なんだか子供がお漏らしするからといって、いつもおねしょシーツ持参で出かける親子連れみたい。
もしかしたらわしが小さい時、かーちゃんもそうやってバスタオルの上にわしを座らせてたのかもね。
物凄く懐かしい光景なのだ、この何処でも座る時にバスタオルを敷くという行為が。
そう考えてたら、ふと思い出した事がある。
わしゃ小さい時に「おトイレ」とか「お便所」という言葉が恥ずかしくてなかなか言えない様な、気の小さい恥ずかしがりやの少女だった。
今から考えると、何かの呪いが掛かっていたとしか思えんのだがの。
で、他所様の家で上手くそれを伝える事が出来ず、結局お漏らしして大恥をかいた事が多々ある。
ああ、今その反対の事をやってるんだわな、これは。
あの時の、お漏らしされた方の立場を、今経験してるんだわ。
それじゃあねぇ、ただ「い・やーっ! 汚いーーーっ!」なんて言ってられないよね。
やらねばっ、だ。
まっ、とりあえずはファ○リーズあたりを介護の七つ道具の中に入れておくべ。
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