ISBN:4087604977 文庫 米塚 真治 集英社 2006/02/17 ¥400
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ギリギリセーフで観られますた。

あっちこっちから「早よ観ろ」とせっつかれてたんだけど、何となく二の足を踏んでいたわし。

映画館で泣きすぎて、出てこられなくなったらどうすべとかね、考えてしまったから。

「君のいた永遠」と「星願/もう一度逢いたくて」がまさにそうで、香港の劇場でサクサク出て行く観客を尻目に、ひとり大泣きして体温下げまくって風邪引いて・・・・


それがヒロとの喧嘩のキッカケになった訳なんだけど。


だけどね、あれは今思えばなるべくしてなった出来事だったんだよね。


この世に無駄な出来事なんて、只の一つも無いんだし。

とんでもなくマイナスな出来事に遭遇してしまったとしても、其処から何を学ぶのかで、その人の魂の輝きが変わってくるんだし。



この映画も、小説の方はまだ読んでないんだけど、映像だけでも十分によかったと思う。


単にゲイの生態やら性態に重点を置いた話なんかじゃなく、基本に父と息子との難しい心の葛藤を持ってきていたのがいい。


自分に正直に生きるというだけで、他人を傷つけてしまう残酷な事実。その事からも目を反らさないで、しっかりと主人公達に語らせていたし。


60年代から70年代に掛けてのアメリカの、自由大国と言われたアメリカの、なんとも古臭い因習に縛られた現実も悲しいし恐ろしい。

ニューヨークやロスならすでになんて事はなかった頃、ゲイというだけで殺されたり迫害を受けた地域が、実際のアメリカにはあったんだものねぇ。


過酷な労働条件で生きていたカウボーイ達の、カッコイイばかりではない辛い現実の姿を、改めて考えたよ。


その中で心を通わす事の出来た友の存在は、本当に大きかったろう。

2人が肉体関係に進むのに、もう少しなんかエピソードが欲しかった気もするんだけどね・・・

それはわしが女だからか?


先ずSEX有りっていうのが男の性なのか?


そこがチト判らんのだがの。




この地球上に、本当に沢山の人達がいるのに、心を通わせられる人はほんの一握りだ。


それはまるで素手で砂を掴んだ時の様にも思える。

最初は沢山握ったつもりなのに、サラサラと手から滑り落ちてしまい、あっと言う間に殆どが無くなってしまう。


だけど、最後まで残るものは残るんだ。

掌に刻まれた皺と、汗のせいで。

その人達との縁を、どう大切にするのかは、勿論本人次第なんだけどね。


いゃあ、しかし、あのシャツのエピソードには泣くわな。


なんかこう、後で効くって感じで、帰る道すがらオイオイ泣きながら歩いたさ。



小説の方も読んでみようかな・・・

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