ISBN:4006030304 文庫 松田 銑 岩波書店 2001/02 ¥945
****************

我が家ではいつも、忙しい朝の時計代わりにNHK朝の子供番組を見ながら食事したりしている。

ワイドショーなんかでやってる辛気臭い話がヤなんでの。

その中のひとつ「日本語であそぼ」を見ていたら、やなぎやかろく(字忘れた)がこんなベタな小話をしていた。

何処かのおかみさんが猫に声を掛ける。

「ミーちゃん、その鈴似合うねぇ」

「ニャワン(似あわん)」

たったそれだけの事なんだけど、その時は妙にツボに嵌って大笑いしてしまった。

師父が冷たい目で「あんた、こんなんでよく笑えるね」とばかにしたのだが、わしが笑ったのには、実はこんな理由があったのさ。

先日の物凄く寒い日の事、道を歩いていたら向こうからなにやら真っ黒い物体を引き連れた女性がやって来る。

その真っ黒い物体は確かパグという種類の小さいブルドック犬らしいのだが、なんと物凄く高そうな本物っぽい毛皮のコートを着せられてたのだ。

ツヤツヤと光沢のある真っ黒いミンクっぽい毛皮を着たパグが、物凄く高そうなブランドの洋服に身を包んだ女性に引かれてヨチヨチと歩いている。

獣が獣の毛を着てる・・・

バグは毛が短いから寒さに弱いの?

いゃあ、何か良く判らんが下品だなぁ・・・

というのも、その犬が暑そうに舌だしてあえぎながら歩いてたのを見たから。

というのが一つ。


もう一つは先々月の叔父のお通夜の時の事。


母方の叔母の1人が一張羅のミンクのコートを着て来たのだが、それに包まって座っている姿が妙に様になってて、ちょっとキツネっぽい叔母の顔立ちとあいまって変に似合う。まるでそのカッコで生まれて来たみたいでさ。


彼女の娘(つまり従姉妹)にその事を告げると、彼女も「でしょ、でしょ〜」となって2人で大爆笑。

・・・通夜なのに・・・(T_T)

叔母さんはわしらの言った「似合う」の意味を自分勝手にいい意味として捉えて得意気だったけどね。


しあわせな人だ〜


もともと毛の生えてる獣が毛皮のコート着て似合わないのに、毛皮の無い人間の方がその身体から生えてるかの如くに似合ってるなんてねぇ。


人間の都合で首に鈴付けられたミーちゃんが、ふて腐れて「ニャワン」と抵抗している小話を笑う裏には、こんなちんまい話の積み重ねがあったわけよ。



人が泣くのには、それなりの理由がある。そして笑うのにも。


時々「何か楽しい事ないの?」とか聞く人がいる。家にいるとツマラナイから外に出かけるという人もいるんだけど、楽しい事には家の中にいたって出会える。


要するにそれはその人の感受性の問題でも有るわけで、面白いものを面白いと思わなければ、世の中の何もかもが全く面白くなくなってしまうのだ。

そんな時は、脳の機能に問題があるのかも知れないけどね。


どっちにせよ、この世の中楽しんだ者勝ちだわな。

自分の健康は自分で管理しないとね。


笑ってないと、ホント具合悪くなるからねぇ。


***********

フォルテさん
堅好き繋がりで、思わずリンクさせて頂きました。よろしくです。

コメント

フォルテ
フォルテ
2006年4月4日20:14

はじめまして!リンクありがとうございます。
堅好き繋がり、とってもうれしいです。
これからヨロシクお願いします。

ありす
ありす
2006年4月8日23:21

こちらこそですっ!

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索