ケニー・ドリュー・トリオ CD BMGファンハウス 2001/01/24 ¥2,000

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十人十色とはよく言ったもので、本当に色々な感じ方があるんだなぁと思ったのがこの「月の砂漠」。

子供の頃から大好きな曲だったし、アメリカのテレビドラマ「可愛い魔女ジニー」や「千夜一夜物語」などのアラブ物が特に好きだったので、必然的に中東系の音楽や文化に憧れを持っていたのも理由の一つ。

それに何故か我が家では、何時の頃からか知らないんだが子供部屋の壁に月の砂漠の歌詞が書かれたタペストリーが長いこと掛かっていたのだ。

月の砂漠をのんびりと旅する王子様とお姫様の乗った駱駝が、遠くのオアシスに立つアラブ風の建物を眺めてるっていう絵柄で、宿題に疲れると、いつもぽ〜っとしながら見上げてたもんだ。

今思うと、なんであんなのがウチにあったんだかな・・・

で、何となく自分の中に刷り込まれて居る「月の砂漠」は、とても良い物という印象。

のんびりしてるし平和だし、ロマンチックだし、夜だからきっと砂漠は涼しいだろうし・・・。王子様はアラジンとかシンドバッドみたいな美形だろうし、とな。勝手な思い込みだわな。

そんなもんで、デイ・サービスなんかでも良く歌う。爺様婆様みなさんも大好きで、私の叩くデュンベッキ(レモ社)のリズムに合わせてうっとりとした表情で、シェーカーや鈴なんかを振りながら歌っておられる。

その時はとても平和を感じる。認知症の人達が、みんなの声とリズムとタイコや鳴り物のハーモニーにウットリしながら、どこまでも逝ってしまいそうになる。トランス一歩手前な感じを受ける時もある程で、とに角気持ち良いのだ。(ある意味危なかったりして・・・)

ところが昨日、ある人からこの曲を聞くと物凄く暗くて悲しい気持ちになると聞いてびっくりした。

その人は詩の意味を深読みしすぎていて、「♪2人はどこへ行くのでしょう♪」の部分を「心中しに行くんだわ」とずっと思っていたという。

昔から私は、この歌詞は新天地を目指しての逃避行か冒険旅行の途中だとばかり思っていたので、全く別の見方もあったんだと、お互いの違いが可笑しくて大笑いをしてしまったのだった。

その方は普段から「私は元気なのよ〜。病気もしないし〜」と、とても陽気で本当にお元気な方なのだが、その話を聞いて彼女に対する見方が少し変わった。

この方は意外に心配性で、内心とても不安を抱えているんじゃなかろうかと。

そして、自分がその事に少しも気付いていないんではなかろうかと。

彼女はとても上手にビアノを弾くのだが、正直言うと彼女のビアノは他人を寄せ付けない感じがする。とても歌い難い。

最初にチームを組んだビアニストとは、物凄くすんなり出来たので、これは単に相性の問題なんだと思うし、私が越えなければならない課題でも有るんだけど、なんとなく彼女のピアノには「硬い」響きを感じて声を乗せにくいのだ。

凄く上手なビアニストなのにねぇ・・・。

歌う時にも、私が地声で歌いたい曲を「地声じゃ歌い難いでしょ?」と聞いて来る。「いやいや、この曲は地声で行った方がいいですよ」と応えると「えーーーっ、私は歌う時地声じゃ歌えないわ〜」と言って驚いていた方だ。

曲によって歌い方を替えるのは当たり前と思っていただけに、これもまったく衝撃的だった。

色んな人がいるよなぁ・・・

で、普段私がタイコでやっているリズムでピアノの伴奏を入れてみる事にした。

結果。

「月の砂漠」の伴奏は、ピアノよりオルガン。それよりもタイコや鳴り物だけでやったほうがベストだと思います。♪月の〜♪の「の」の所で最初にズンと一回入れて、後は曲に合わせて左でテッ・右でテッテ〜って感じに入れると暗くならずに、一見アラブ風な歌になると思う。(でもないか・・・)

人がどう感じて何を思っているのかなんて、本当に判らないもんだよね。

このCDのジャズ風アレンジも聴いてみたいな・・・

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