1992年に作られた、古いタイプの香港チャンバラと、新しい時代のスタイリッシュな剣劇の過渡期に作られた作品。

演じるのは、当時の人気者ばかり。

レォン・カーファイもマギー・チャンもブリジット・リンもみんな若くて輝くばかりの魅力に溢れている。

特にこの頃「男装の麗人」を演らせたら右に出る者無しと言われた美女ブリジット・リンの、清楚でキリリとした美少年振りは、今でも彼女を越える人が出ていない事を思えば、この時期の旬の時代を観られた幸せを思う。

なんと言っても、彼女はいまや引退してすっかり良いお母さんしてるんだものねぇ。ふっくらしたおばさんになっちゃって、もうこの当時の面影はない。美女の旬を知ってたんだよね。そんな所も潔くて好きなんだがの。

共に力を合わせて殺された仲間の子供達を救おうとする、戦友でもある恋人達の間に割って入ろうとするなにやら怪しい旅館の女将。

そこに絶大な権力を持つ宦官や盗賊、辺境砂漠の警備隊達が入り乱れてのチャンチャン・バラバラの大活劇。

観てると、こっちまで口の中が砂だらけになりそうな程、パサパサ・ザラザラな画面が続く。ロケ地は敦煌なんだそうだ。

汗まみれ砂まみれで、お世辞にも麗しい映像ではないんだけど、マギー・チャンの汚れ役は見もの。

それに宦官の大将がドニー・イェンで、「HERO」の時の気高い剣士の姿からは想像出来ないような薄汚い白塗りの化粧姿も、なんか面白い。


旅館の女将の傍らに、いつもくっ付いている妙な言葉を話すナイフの名人は、字幕では「野蛮人」となってるんだけど、今回久々に観て改めて気がついたんだが、どうも「ダッタン人」らしい。

ああ、あのダッタン蕎麦の産地の人かぁ、とかね。変な所で感心したりしたよ。聞き間違いでなければいいんだがの。

この作品が香港で上映された頃、丁度香港人と結婚する友達の式に出席する為、ひとり現地に居た。

新聞広告を見て「観たいなぁ」と思ったんだけど、私の帰る日に上映開始だったので、涙を忍んで前売りに並ぶ人の列を見たものだ。

その友達が、どうも別れたらしいという風の便りが昨日届いた。

また一つの時代がおわったんだねぇ・・・

そういえば、この当時、わしは主役のレオン・カーファイが大大大好きだったじゃないの・・・





・・・、人の心は移ろうものよ、のぅ・・・・

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