ここの所何年も元気で過ごしていたのだが、もう良い歳だし風邪なんてありふれた病気なんだからとは思いたいのだが・・・
実は先月の末に、庭に祭ってあったお稲荷さんを、もう祭れないからと近くの神社の神主さんに来てもらって、お見送りの儀式をしたばかりだったので、チョット気になったのだった。
そもそもが、まだ我が家がとある商売をしていた時から、店の繁栄を願って奉っていたお稲荷さんだ。
商売をたたんで今の土地に家を建てて引っ越して来てからは、庭に石段を積んで奉っていた。
毎月1日にお赤飯を上げて掃除するのが私の役目だった。
その「御付の者」である私になんの連絡も無く、突然「ウチのお稲荷さん、もう帰ってもらうから。今日神主さん来るから」とアッケラカンと言いやがったババァ。
熱出て当たり前だわっ。
とは言っても今此処でどうにかなられても嫌なので、とりあえず様子を見に行ってみたら、何の事は無い、風邪は風邪だけどなんとか元気にしているじゃないの。
だけど本人も何となく気になったらしく「お稲荷さんが怒ったのかねぇ」とか言ってる。
もし自分になにかあった後、誰も住む者の居なくなった土地屋敷(本当は小屋だがの)を売るのに、お稲荷さんがいたら売れないとか、大方誰かに入れ知恵されただけなんだろうけどね。
大きなお世話だよなぁ。
まぁ、住む人が決める事だから仕方ないし、きちんと「御見送りの義」をしてしまえばなんの障りも無い。
だけどその御社の辺りには、神様のつもりになって住んでた「物の気」がいるとか言う。
そいつらが神様が居なくなって大騒ぎをしているとか、そんな風に考える。
下等な物の気に障られるとは、その魂の波動が下等な証拠と散々からかっておいた。
まぁ年寄りなのでショックで倒れられても困るので、「ほれ、これで魔よけが出来る」と塩のおき方なんかを教えておいたがの。
50年以上我が家を守ってくれてたお稲荷さん。
だけどここ10年位はすっかり寂れてしまっていた。
神様は賑やかな所が好きだという。
確かに、こんなヨロケた我儘ババァが一人で意固地な人生を送っている家なんかに居たくもなかろう。
仕方ないなぁとは思うんだけど、やっぱりなんか寂しい。
なんか、悲しいなぁ。
だけど、どうしてあの母は、人の都合を無視して平気になんだろか。
よっぽと人から無視された人生だったんだろうな・・・
とは言った所で、聞き分けの良い娘になるには、まだまだ修行がいるんだよなぁ。
くっそぅ・・・・
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