彼が自殺した日は物凄く晴れていたんだけど、お葬式の日に、確か雨が少し降った覚えがある。
義父の母親、師父の祖母のお葬式は物凄い土砂降りだったし、義妹の遺体が病院から自宅に帰って来た日も雨模様で、何故家に運び入れるその時だけ、結構雨が降っていた。
今日もやっぱり冷たい雨が降っていて、私達はこの氷雨の中を集まり、家でお坊さんのお経を聞き、濡れながらお墓参りをして、料亭で精進落しをした。
内々とはいえ結構な人数だったので、料亭からはお迎えのバスが出たのだが、その運転手が法事の主役である義父の、学生時代の同級生だったので、一同びっくり。
その運転手にしても、かつての同級生の7回忌の法事の送迎をするのは感無量と言っていた。心中さぞ複雑な事だろうと思う。
お元気で仕事が出来るのは良い事だとは思ったけど、70歳を越えた人の運転には、やはり多少の不安もある。楽隠居出来ない性分って、大変な事だなぁ・・・
精進落しも終われば、みんなサクサク帰ってしまう。もうそんなご時世になったのよね。昔法事や結婚式が終わった後、家でお茶やらお酒やらを飲みなおしたのは、「そういう物」なのではなく、そこに「一緒にいたい人」がいたからこそ。
だけど、義母には多分死ぬまでその事は理解出来ないだろう。
父親との三人でなんとか生活している二人の姪達も、朝寝坊したり洗濯物に埋ったりしている話をゲラゲラ笑いながらしていたが、その苦労をしても、今の生活が楽しいようだ。
小うるさく、世間体ばかりを気にしている「裏表の有るお祖母さん」との生活では手に出来ない楽しさだろう。
良かった良かった。
愚義弟も、仕事から疲れて帰って来てるのに、娘2人から「バンツ洗っとけ」と言われてるんだとこぼしていたが、皆から「年頃の娘の下着を触らせてもらえるだけでも、ありがたいと思え」と全然同情もされてない。
前の結婚で捨て去った2人の子供の分まで、ここで苦労するのがお前の選んだ道なんだよって感じだ。
そういえば、義妹のヒャッカンチっていつ ? という話題になって数えたら義弟の誕生日がその日だった。
一応、喪の開ける日とされている日だけど、兄の誕生日に亡くなって、弟の誕生日にその喪が開けるとはねぇ。
おまけに、喪の開ける日は、6年前に亡くなった義父の告別式だった日でもある。
なんなんだかなぁ、この家は。
もう色んな禍々しい事は、終わりにしましょうよね。
っていうか、もう私達は関係ないから。お願いしますよ、ホント。
これからは、周りじゃなく、見栄張って世間体ばかり気にしてる本人に、直接アタックして下さいね。
ドゾ、ヨロシク。
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