ISBN:416315180X 単行本 吉田 美枝 文芸春秋 1994/10 ¥1,937
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原作の方は読んだ事ないんだけど、WOWOWで放送されていたのが昨日終わって、しみじみ舞台の方も見たいものだと思ってしまった。

全ての憎まれ役を背負ったアル・バチーノの憎々しいジジイの演技に今更ながら感動し、その臨終のシーンでは不謹慎にも大爆笑させられ、死んでからのシーンで大泣きさせる憎らしさは、元々の本の素晴らしさも有るだろうが、この役者の真骨頂でもあるのだろう。

彼を憎み続けた人達が選ぶ「死者を許す」という行為が、人間の魂の救いを思わせる。

私にとっては、つい最近の義妹との別れと重なって、号泣しちまったさ。

このドラマは、さりげなくではあるけれど、人としてのスタンスの取り方って大切だよねぇと、しっかり教えてくれる。

全ての人間が自分とは違う。たとえ親であれ子供であれ、愛し合った仲であれ、親友であれ、みんなそれぞれの世界観の中で生きていて、それぞれに融通しあって生きている。

それぞれの抱えている問題も、人生の道も丸っきり違う。だから自分だけの思い込みで相手を見ているだけでは、その関係に失敗してしまう。

心をまっさらにして見てご覧。相手の本当の姿が見えてくるから。

弱い心が作り出す強いエゴが、何とか相手を自分の言葉でねじ伏せようとしても、所詮は自己満足で終わるだけ。相手の心には何も残さない。むしろ嫌な思いだけが残ってしまう。

自分は何がしたいのか。どう生きたいのか、決めるのは自分しかいない。

そして相手がどう生きようとも、それを認めるのが、本当の愛情なんだろう。

この世の全ての人を受け入れ、愛する事なんか出来やしない。だけど「許す」事は出来る。

相手の立場を認める。

その姿勢が、何より大切。

実は最初の1・2話がK-1と重なっててうっかり見逃してしまっていたのだが、3話からでも話は十分に伝わった。だけどやっぱり最初からもう一度見て見たい。

来年の再放送に期待するよん、WOWOWさん。

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