この10年の間に二回、似たような話をする似たような人に会った。

最初は93年頃で次が99年。

その話はこうだ。

友達の家の近所の公園では、この夏夜中に首を吊る人が多発して、最近では毎日の様に救急車が来ている。というもの。

でも、どちらもそんな記事で巷が沸き立っている訳でも無く、他の人から噂として聞くでもなく、全く根拠の無いただの噂話。


最初聞いた時には、その話をした女性と一緒に公園内のスポーツ施設にトレーニングに行く約束をしていた頃だった。


ダイエットと体力維持の為なのだが、私と身長が同じで体重が30キロ多かった彼女は、口では「行く」と言いながら、実は行く気など無かったんだろう。


で、何となくそんな話を作り出したのかも知れない。


「だって夜遅くなって首吊り死体に出くわしたらどうするのよ」とその時彼女は言ったがの。

その時は警察を呼んで、木から下ろしてやればいいだけだ。もしかしたら、まだやったばかりで生きてるかも知れないし。


自分で確かめもしない事を、まことしやかに話す女は要注意。

程なく彼女との縁は切れてくれた。

ああ、さっぱり。


で、二回目。


その人も全く同じ話をしてから、さらに始末の悪い事に、その公園でその夏実際に起こった老人の後追い自殺についてこう言ったのだ。


「お婆さんが病気で死んじゃってね、お爺さんが生きてる希望を無くして池に飛び込んで死んじゃったんだけど、丸まった背中が浮いててさ、亀の甲羅みたいに見えたんだって。亀の甲羅よ」と言いながら「ウフフフ」と笑ったのだ。


ウフフフフと。


妻に死なれて悲しくて後追いをした爺さんを、この中年女は笑い話にした。


聞きながら吐き気がして早くこの女との縁が切れる事を願ったら、程なく会う機会が無くなってホントすっきりした。



そう、この馬鹿げな根拠の無い「近所の公園では毎日首吊り自殺する人が出る」という噂を広めていたのは、共に中年の、社会人生活の経験が浅く思慮も浅い、子持ちの、大人しくて優しい夫を持つ、プライドだけはチョモランマ並みに高い「お母さん」だったのだ。


こういう女は友達も少ない。というか、今自分の近くに居る人としか付き合えない習性をもっているからすぐに見分けられる。


出合ったばかりの頃に「贈り物攻撃」を仕掛けてくるのも共通の特徴だ。


自分が気にいった相手を自分の興味の有る事柄に引き込もうとするか、または気にいった相手と同じ趣味を持とうとする。物凄く無理をして。


どちらにしても、友達としては「ニセモノ」の類。


適当にかわして、相手にしない事だ。


後で自分の人生の責任まで取らせようとする、まっこと始末の悪い女で、たいてい計画的な「できちゃった婚」をしていたりする。


こんな女に捕まった男は、ご愁傷様の一言だね。


所で、


世界各地にこの手の「友達の友達が遭遇したらしい」と言う話は溢れているんだとか。


それは教訓であったり皮肉であったりするんだけれど、大抵は良く考えてみれば嘘か誠かは、直ぐにわかる物ばかり。


それでも面白半分に話は広がっていく。


勿論面白半分で終わるのなら可愛いが、実際問題として関東大震災の時の朝鮮人迫害の引き金になったり、銀行が倒産の危機に直面したりする訳だから、よくよく事の真偽を確かめる「自分の目」を失わないようにしないといけない。


丁度さっき録画していたディスカバリー・チャンネルの「嘘まじりの本当の話」と言う番組を見てて、この2人の事を思い出していたら、なんと私自信も噂に嵌っていた事を知ってびっくら。


今年の夏頃だったか、日テレの「世界仰天ニュース」という番組でやっていた「妻が便器に捨てた殺虫剤に気付かず、夫が用を足した後煙草の吸殻をその中に捨てたら便器が爆発してお尻に大火傷をおった」というのも、その「都市伝説」の有名な一つなんだそうだ。


そもそも殺虫剤に引火しても火は出るが爆発はせず、仮に爆発したら大火傷などでは済まないと、番組の中で親切に実験してくれていた。


しまった・・・、やられたか・・・・・。


そろそろ社会復帰の望まれるわしなのだな。

くやしいーーーっ !!! (>_

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