介護が必要な時に家族無し
2004年10月5日 エッセイ
鼻に酸素チューブを挿入した状態でも、義妹の様子は一見落ち着いた様に見える。
今日吸引された痰の色は無色。これにどういう意味が有るのか。
でも一日の殆どを寝て過ごすようになってしまった。
人はよく、自分の誕生日の前後や生まれた日のぴったり何ヶ月後かに死んだりする事が多いので、今月ではないが10日生まれの彼女にとって何となく今度の日曜日は一つのヤマかも知れないと感じているが、そればかりは神のみぞ知るだ。
10月10日と言えば、私がヒロに最後に電話で怒鳴った日だ。
なんで重なるかな・・・
師父が病院から義母に電話を入れて今日の様子を伝えた時、最初に受話器を取ったのは問題児。下の姪ッ子だった。
「あっ、おじちゃん。うん、おばあちゃんに替わる」
先週会った時はロクに口も利かなかったのに、妙に声が明るく元気なので何かあったのかと師父が母親に尋ねたら、引っ越す先のアパートが決まったのだと言う。
敬老の日にみんなの目の前で私がブチ切れたのが余程効いたのか、あのウスノロの義愚弟にしては随分と早い行動だ。
競売にかけられた家の近くの駅で、自分の職場と娘達の学校の中間だという。
・・・、初めから其処にしてれば、半年の内に二回もアパート借り直す必要も無かったのにね。やっぱり馬鹿は馬鹿な行動をとると言う好い見本だ。
子供達も現金なものですっかりご機嫌な様子。大人びていてもまだまだ14歳はこんな程度の子供なのだな。実に素直でよろしい。
口うるさい祖母から離れられると判ったとたんにこの変わりようだもの。
これから母親不在の地獄が待ってるとも知らずに。
どんなに口煩くされてもむかついても、学校から帰ればご飯が出来ていた今までの生活は夢のまた夢になるのにね。
でもそれはそれ。もう右も左も判らない幼子じゃないから、何とか自分達でサバイバルして行くだろう。父と娘の生活だって、一緒に住んでればそんなに悪いものでもないだろうし。
それに子供子供と言ったって、下の子はあと二年で結婚も出来る年になる。彼女達の曾祖母は16歳で結婚したそうだ。自分の選んだ道ならそれも悪くないだろう。
でもね、孫達を「居候」と呼び邪魔者扱いした義母は、彼女達が引っ越したらどうするんだろう。
今はとりあえずその居候達の面倒を見なければという使命感からなんとか日々の活力が生まれているけど、寝たきりになってしまった娘の病室から帰って、一人家に座って居る自分の姿は未だ想像出来ないんだろうな。
話し相手も無く、喧嘩する相手も無く、ただシーンとした家に一人帰る老婆の姿は。
可愛い一人娘が自分よりも先に死ぬかも知れないと言う不安を抱えているのに、これからは気を紛らわせる事もし難くなるだろう。
でもいい。それが義母の選んだ道だ。
年を取ってから気力が落ちるとあっという間に足腰にガタが来てしまうものだか、さて、どうなるだろう。
義父が自殺した頃は義妹も元気だったので、頻繁に実家に帰っては母親を励ましていたし、まだ小さかった娘達を「仕事」名目で預けていたので、それなりに気も紛れていた。
でも今度は違う。
その頼りの娘が生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているのだ。
その娘の子供達は自分を嫌い、今まさに家を出ようとしている。それも大喜びで。
心折れて倒れた時、もし傍に誰も居なくて何時間も放置されてしまったとしても・・・・・
やっぱりそれも自分の選んだ道なんだろうな。
今日吸引された痰の色は無色。これにどういう意味が有るのか。
でも一日の殆どを寝て過ごすようになってしまった。
人はよく、自分の誕生日の前後や生まれた日のぴったり何ヶ月後かに死んだりする事が多いので、今月ではないが10日生まれの彼女にとって何となく今度の日曜日は一つのヤマかも知れないと感じているが、そればかりは神のみぞ知るだ。
10月10日と言えば、私がヒロに最後に電話で怒鳴った日だ。
なんで重なるかな・・・
師父が病院から義母に電話を入れて今日の様子を伝えた時、最初に受話器を取ったのは問題児。下の姪ッ子だった。
「あっ、おじちゃん。うん、おばあちゃんに替わる」
先週会った時はロクに口も利かなかったのに、妙に声が明るく元気なので何かあったのかと師父が母親に尋ねたら、引っ越す先のアパートが決まったのだと言う。
敬老の日にみんなの目の前で私がブチ切れたのが余程効いたのか、あのウスノロの義愚弟にしては随分と早い行動だ。
競売にかけられた家の近くの駅で、自分の職場と娘達の学校の中間だという。
・・・、初めから其処にしてれば、半年の内に二回もアパート借り直す必要も無かったのにね。やっぱり馬鹿は馬鹿な行動をとると言う好い見本だ。
子供達も現金なものですっかりご機嫌な様子。大人びていてもまだまだ14歳はこんな程度の子供なのだな。実に素直でよろしい。
口うるさい祖母から離れられると判ったとたんにこの変わりようだもの。
これから母親不在の地獄が待ってるとも知らずに。
どんなに口煩くされてもむかついても、学校から帰ればご飯が出来ていた今までの生活は夢のまた夢になるのにね。
でもそれはそれ。もう右も左も判らない幼子じゃないから、何とか自分達でサバイバルして行くだろう。父と娘の生活だって、一緒に住んでればそんなに悪いものでもないだろうし。
それに子供子供と言ったって、下の子はあと二年で結婚も出来る年になる。彼女達の曾祖母は16歳で結婚したそうだ。自分の選んだ道ならそれも悪くないだろう。
でもね、孫達を「居候」と呼び邪魔者扱いした義母は、彼女達が引っ越したらどうするんだろう。
今はとりあえずその居候達の面倒を見なければという使命感からなんとか日々の活力が生まれているけど、寝たきりになってしまった娘の病室から帰って、一人家に座って居る自分の姿は未だ想像出来ないんだろうな。
話し相手も無く、喧嘩する相手も無く、ただシーンとした家に一人帰る老婆の姿は。
可愛い一人娘が自分よりも先に死ぬかも知れないと言う不安を抱えているのに、これからは気を紛らわせる事もし難くなるだろう。
でもいい。それが義母の選んだ道だ。
年を取ってから気力が落ちるとあっという間に足腰にガタが来てしまうものだか、さて、どうなるだろう。
義父が自殺した頃は義妹も元気だったので、頻繁に実家に帰っては母親を励ましていたし、まだ小さかった娘達を「仕事」名目で預けていたので、それなりに気も紛れていた。
でも今度は違う。
その頼りの娘が生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているのだ。
その娘の子供達は自分を嫌い、今まさに家を出ようとしている。それも大喜びで。
心折れて倒れた時、もし傍に誰も居なくて何時間も放置されてしまったとしても・・・・・
やっぱりそれも自分の選んだ道なんだろうな。
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