DVD アミューズソフト販売 2004/03/26 ¥3,990
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お盆には、お盆らしい作品を見ようという事で、この一本。

共にホラー界では知らぬ者の居ない2人のアイドルが、地獄から蘇って戦うという、設定だけ聞いても思わず楽しくて笑っちゃう話だが、実際に見ても楽しくて笑える仕上がりになっている。

マニアの多い作品だけに、オリジナルの設定を特に大切にしたそうだ。

今は人々の悪夢に棲むフレディは、生前は児童虐待を受けているかわいそうな子供の頃があった。成人になってから自分が受けた虐待の怒りを、周りにいる子供達に向ける変質者になって、犠牲になった子供の親達に焼き殺されてしまった。

その子供時代のフレディを虐めまくる父親役を、我が地獄の大魔王様アリス・クーパーが実に楽しそうに演じていた。

聞くところによると、本人が凄く出たがったという話だけど、そんな感じもする。

だから彼がジェイソンに向かって「悪夢へようこそ」と言うシーンは、別の意味でのファン・サービスでもある。

それはアリス・クーパーの1975年のヒット作の題でもあるからだ。

まぁ、楽屋落ちなんで、どうでもいいっちゃぁ、どうでもいいんだかの。

しかし、大魔王様はジェイソンも大好きで、「13日の金曜日」シリーズの中では主題歌を歌ってたりもする。

節操が無いのは、悪魔の証拠。

節操が無いからこの2人は何度も何度も蘇る。激しい死闘を繰り広げた所で、結局の所死にもしない。

今回の監督は、張國榮主演の香港映画「白髪魔女伝」の監督ロニー・ユーが担当した。

だからアクション・シーンは、香港並みにしつこくて残酷だ。

そしてキレがいい。

昔のハリウッド製のホラー物には、あんまりスプラッター的な表現は無かった気がするが、イタリアや香港の影響で、どんどん表現がエグく、ゲロくなって来た感じ。

30年位前にアンディ・ウォーホルが「悪魔のはらわた」を作った時なんか大騒ぎだったのに、今となっては可愛いものだもの。

しかし、考えてみればイタリアも香港も、食に関してはかなり煩い土地柄だ。

香港の市場には豚の半身が堂々と横たわってるし、家で鶏を絞める事だって、かつては当たり前だった。

昔は「鶏を絞められない女は、嫁に行けない」と言われていたんだとか。

・・・勿論、今はそんな事はないけどね。

イタリアもそんな感じだったんだろか・・・

とに角、食べ物としての「屍骸」を見る機会の多い土地柄では、動物の身体の中に内臓がグチャグチャ有るのが当たり前という考えはごく自然にあるだろう。

気持悪いと感じる事はあっても、病的に「イ・ヤーっ!!!」とは成らない。

時々「動物は可哀想だから、食べない」という人に出会う。「獣の遺伝子が自分の肉体に入るのは許せない」という人もいる。

そんな時、自分自身も食物連鎖の一員なんだったら、死んで土に返る時に、獣に食われたり虫に食われたりするわけなんだから良いんでないの?と言いたくなるが、まぁ、摩擦を避けて「ふーん」なんて聞いてたりする自分がいる。

しかし、それらの肉が綺麗に切り分けられて、パックに詰められてスーパーに並んでいるのを見るだけの機会しか無ければ、その肉の元が以前生きていたという実感も無くなってしまうのは当たり前。

それでガッガッ喰い散らかして、その肉が生きていた事に考えの及ばない人達だって、沢山いる。

時々、それって良い事なのかなぁと考えてしまう時がある。

でも、だからと言って屠殺場に小学生を社会科見学として、無理やりつれて行くのも、やはりどうかとも思う。

バランスが大切なんだよなぁ。

このジェイソンとフレディは、共に子供時代悲惨な体験をして、こんな姿の怪物になってしまった。

児童虐待を受け続けたフレディと、先天的な奇形の為に友達に虐められたジェイソン。

奇形児いじめや精神の破綻した者の存在を無視して見ないようにする事と、食べ物の元が何だったのかを知る努力をしない事は、根が同じような気がしないでもない。

汚い物に蓋してると、やっぱりどこかで大爆発が起きるんだよなぁ。

バランスが大切。

・・・、そう言えば、この2人の弱点が「火」と「水」だったっけ。

「Trick 劇場版」の野際陽子のセリフじゃないけど「火に水を掛ければ淡という字になるーーっ!!!」だよね。

あわあわと、うまくバランスをとって、付き合いたいよ。

障害を持ってる人達とも、開けばゲロい内臓を持ってる、かつては元気に生きていた肉達とも。

・・・、しかし、なんでこの映画見て、肉の話になったんだ・・?

そうそう、今年の夏はあまりに暑くて食欲減退で、毎日素麺に大根おろし乗せてポン酢醤油で食べてたら、しっかり貧血で夏バテしちまって、このお盆に家族でお肉料理を食べまくって、すっかり復活した、そのせいかもだな、うん。

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