愛人/ラマン 最終章
2004年8月12日 映画
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2003/06/26 ¥3,990
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「デュラス 愛の最終章」が劇場公開時の題らしい。wowowで放映した時もこの題だったのに、ビデオ化された時の題が違っていて検索するのに手間取ったよん。
さてさて。
デュラスについて語れる程のものはないのだが、つくづくこの人は面白い縁を持っていたのだなぁと思う。
彼女の作品は「愛人ラ・マン」と「北の愛人」しか読んでないのにね。
それにその二つの作品は、ドキュメンタリーと小説の違いはあっても、同じ金持ち中国人の愛人だった時の話で、つまり私はデュラスの一つの物語しか知らない事になる。
そしてこの、彼女の最後の愛人と言われるヤン・アンドレアの書いた本を元にしたこの話と。
十代の時の年上の愛人との関係と、60を過ぎてからの息子よりも年下の愛人との関係は、全く違うように見えて、実は全く同じ様にも見える。
若い彼女を愛人にした中国人青年は、彼女との逢瀬に使う部屋をわざわざ借りて、2人は何時もそこで会っていた。
南国南ベトナムの湿気と熱気に満ちた部屋の描写と、外の喧騒。ブラインド越しに差し込む日差しの強さ。少女と青年のSEX。
この本はデュラスがヤンと出合ってから書かれた物だという。
本の中でも「漸く書けるようになった」というくだりがあるが、心の中に閉じ込めておいた感情は、時が経たないと出せないものだし、何かのきっかけでも無いと人に話して聞かせるのも難しい。
そのきっかけを、38歳年下のヤンが引き出したのだと思う。
やはり、2人は逢うべくして逢ったのだろう。
デュラスはその人生の最後に、かつての愛人が彼女を閉じ込めて独占しようとした様に、彼女の部屋に16年間も閉じ込めてしまった。
勿論出入り自由な環境ではあったけれど、彼は結局出てはいかなかった。
少しヘソを曲げて出て行っても、直ぐに戻って来た。
中国人青年の時と同じ「傷つけ合う関係」でありながら、どうしても別れる事が出来なかった。
腐れ縁というのか、何というのか。
人には他人には理解出来ない感情の縺れから、どうしてもサッパリと切り離せない関係になる人が、必ず一人は存在しているのかも知れない。
中国人青年にとっては彼女が。彼女にとってはヤンが、「その人」だったのかも知れない。
愛に年齢は関係ないんだろう。
肉体的な愛情の表現は、この映画からはハッキリと知る事は出来ない。上手く誤魔化しているのは、女性監督のなせる業?
ハッキリクッキリ表現した所で、それはあまりに下世話でキワモノにしかならないものね。
加藤治子と山本太郎主演の「完全なる飼育 秘密の地下室」みたいに撮られると、かなり引くものなぁ。
そうではなくて、上手くボカす事で「好き」という感情に素直だっただけという、とてもシンプルで可愛らしい2人がそこに現れる。
ヤンという人はゲイだという説もあるが、真相の程は解らない。
ただ、彼がデュラスの事を本当に尊敬し、彼女の熱心なシンパだったという事は伝わって来る。
年上の女性に憧れる青年の、純粋な気持は美しいものだなぁ。
やっぱ、わしもメル息子と会わなかった方が良かったのかもね。
ごめんな、夢をブチ壊しちゃって。
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黎明さん
お気に入りに入れさせていただきました。
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「デュラス 愛の最終章」が劇場公開時の題らしい。wowowで放映した時もこの題だったのに、ビデオ化された時の題が違っていて検索するのに手間取ったよん。
さてさて。
デュラスについて語れる程のものはないのだが、つくづくこの人は面白い縁を持っていたのだなぁと思う。
彼女の作品は「愛人ラ・マン」と「北の愛人」しか読んでないのにね。
それにその二つの作品は、ドキュメンタリーと小説の違いはあっても、同じ金持ち中国人の愛人だった時の話で、つまり私はデュラスの一つの物語しか知らない事になる。
そしてこの、彼女の最後の愛人と言われるヤン・アンドレアの書いた本を元にしたこの話と。
十代の時の年上の愛人との関係と、60を過ぎてからの息子よりも年下の愛人との関係は、全く違うように見えて、実は全く同じ様にも見える。
若い彼女を愛人にした中国人青年は、彼女との逢瀬に使う部屋をわざわざ借りて、2人は何時もそこで会っていた。
南国南ベトナムの湿気と熱気に満ちた部屋の描写と、外の喧騒。ブラインド越しに差し込む日差しの強さ。少女と青年のSEX。
この本はデュラスがヤンと出合ってから書かれた物だという。
本の中でも「漸く書けるようになった」というくだりがあるが、心の中に閉じ込めておいた感情は、時が経たないと出せないものだし、何かのきっかけでも無いと人に話して聞かせるのも難しい。
そのきっかけを、38歳年下のヤンが引き出したのだと思う。
やはり、2人は逢うべくして逢ったのだろう。
デュラスはその人生の最後に、かつての愛人が彼女を閉じ込めて独占しようとした様に、彼女の部屋に16年間も閉じ込めてしまった。
勿論出入り自由な環境ではあったけれど、彼は結局出てはいかなかった。
少しヘソを曲げて出て行っても、直ぐに戻って来た。
中国人青年の時と同じ「傷つけ合う関係」でありながら、どうしても別れる事が出来なかった。
腐れ縁というのか、何というのか。
人には他人には理解出来ない感情の縺れから、どうしてもサッパリと切り離せない関係になる人が、必ず一人は存在しているのかも知れない。
中国人青年にとっては彼女が。彼女にとってはヤンが、「その人」だったのかも知れない。
愛に年齢は関係ないんだろう。
肉体的な愛情の表現は、この映画からはハッキリと知る事は出来ない。上手く誤魔化しているのは、女性監督のなせる業?
ハッキリクッキリ表現した所で、それはあまりに下世話でキワモノにしかならないものね。
加藤治子と山本太郎主演の「完全なる飼育 秘密の地下室」みたいに撮られると、かなり引くものなぁ。
そうではなくて、上手くボカす事で「好き」という感情に素直だっただけという、とてもシンプルで可愛らしい2人がそこに現れる。
ヤンという人はゲイだという説もあるが、真相の程は解らない。
ただ、彼がデュラスの事を本当に尊敬し、彼女の熱心なシンパだったという事は伝わって来る。
年上の女性に憧れる青年の、純粋な気持は美しいものだなぁ。
やっぱ、わしもメル息子と会わなかった方が良かったのかもね。
ごめんな、夢をブチ壊しちゃって。
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黎明さん
お気に入りに入れさせていただきました。
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