クレイジー・ダイアモンド/シド・バレット
2004年6月15日 読書
ISBN:4891764457 単行本 小山 景子 水声社 2001/06 ¥2,310
*********************************
生まれた時間を知りたいと思った。こんなにも偏った日に生まれた人達が全員、こんな人生を歩んだ訳が無いとも思う。
でもやはり、特別な日というのは存在するものだ。
まるで「金」だらけの日。陰陽五行の「木・火・土・金・水」のどれが多すぎても少なすぎても、バランスが悪くなるのは仕方がないとしても、これほど芸術家として最適の日に生まれながら、その特性の為にまるで取殺されたかの様な人生を歩んでしまったなんて。
さしずめ、ゴロゴロとした原石で埋まりまくっている命式とでもいうのか。
実際に彼の人となりを知っている人のいう「原石のまま破壊されてしまった人格(クレイジー・ダイアモンド)」は、この日を端的に現しているとも言える。
「メル息子」の命式に良く似てるので、余計に驚いた。
息子はよく「時々自分に付いていけなくなる」と言っていた。あまりに「金」が多すぎて感情が抑えきれなくなるらしい。
「木」が多すぎるとニョキニョキ伸び放題になって「お山の大将」的傾向が強く出やすくなるし、火が多すぎるとボオボオ大火事ですぐに燃え尽きてしまう。「土」が多すぎればじっと動けなくなるし、「水」なら大洪水で、相手の都合も考えずに突進するキライがある。
その中で、「金」の多すぎる人は特に気の毒だなぁとも思うのだ。
木なら切って燃せば役に立つ。火なら消すより土に養分を分けた方がいい。土は水を堰き止められるし、金を育てる事も出来る。伸びすぎる木の根っこを押さえる事も可能だし、火から養分をもらえる。水は木を育てるし、乾きすぎの土を湿らせる事が出来るし火も消せる。
だけど、「金」の人は、磨かれないとダメなのだ。
切り出されて、焼かれて、溶かされて、叩かれて、精錬されて、磨かれて、初めて役に立つ人材となれる。
考えようによっては、かなりシンドイ。
でも、それだけに優れた逸材だとも言えるのだが。
シド・バレットは、若き日にその全てを否定した。彼は生まれながらにあまりに才能が溢れていて、「鍛錬」する事を忘れてしまったらしい。
たとえダイアモンドでも、磨かなければただの石なのだ。
ハンサムで家柄も良く、知的で優しく繊細な人。
でも「金」の特性である「すぐカッとなる」性格が、彼の人間関係に悪影響をもたらした。
人の意見を聞くことが、つまりは「精錬」している事に繋がるのだが、「金」が多すぎると頑なで意固地な面が強くなる。
LSDにのめり込んだのも、周囲からの「やりすぎだよ」という意見に、単に天邪鬼になっていただけなのが発端かも知れないのだ。
でも今は、穏やかに家族と共に生きているという。
もしかしたら生まれ時間に、彼の最終的な破滅を回避する星があったのかも知れないとも思う。
ああ、誰か知りませんかねぇ。知りたいなぁ・・・
しかし、アリス・クーパーがシド・パレットの大ファンだったなんて、この本で初めて知った。
やっぱり生きててよかったな、と思える瞬間だ。
*********************************
生まれた時間を知りたいと思った。こんなにも偏った日に生まれた人達が全員、こんな人生を歩んだ訳が無いとも思う。
でもやはり、特別な日というのは存在するものだ。
まるで「金」だらけの日。陰陽五行の「木・火・土・金・水」のどれが多すぎても少なすぎても、バランスが悪くなるのは仕方がないとしても、これほど芸術家として最適の日に生まれながら、その特性の為にまるで取殺されたかの様な人生を歩んでしまったなんて。
さしずめ、ゴロゴロとした原石で埋まりまくっている命式とでもいうのか。
実際に彼の人となりを知っている人のいう「原石のまま破壊されてしまった人格(クレイジー・ダイアモンド)」は、この日を端的に現しているとも言える。
「メル息子」の命式に良く似てるので、余計に驚いた。
息子はよく「時々自分に付いていけなくなる」と言っていた。あまりに「金」が多すぎて感情が抑えきれなくなるらしい。
「木」が多すぎるとニョキニョキ伸び放題になって「お山の大将」的傾向が強く出やすくなるし、火が多すぎるとボオボオ大火事ですぐに燃え尽きてしまう。「土」が多すぎればじっと動けなくなるし、「水」なら大洪水で、相手の都合も考えずに突進するキライがある。
その中で、「金」の多すぎる人は特に気の毒だなぁとも思うのだ。
木なら切って燃せば役に立つ。火なら消すより土に養分を分けた方がいい。土は水を堰き止められるし、金を育てる事も出来る。伸びすぎる木の根っこを押さえる事も可能だし、火から養分をもらえる。水は木を育てるし、乾きすぎの土を湿らせる事が出来るし火も消せる。
だけど、「金」の人は、磨かれないとダメなのだ。
切り出されて、焼かれて、溶かされて、叩かれて、精錬されて、磨かれて、初めて役に立つ人材となれる。
考えようによっては、かなりシンドイ。
でも、それだけに優れた逸材だとも言えるのだが。
シド・バレットは、若き日にその全てを否定した。彼は生まれながらにあまりに才能が溢れていて、「鍛錬」する事を忘れてしまったらしい。
たとえダイアモンドでも、磨かなければただの石なのだ。
ハンサムで家柄も良く、知的で優しく繊細な人。
でも「金」の特性である「すぐカッとなる」性格が、彼の人間関係に悪影響をもたらした。
人の意見を聞くことが、つまりは「精錬」している事に繋がるのだが、「金」が多すぎると頑なで意固地な面が強くなる。
LSDにのめり込んだのも、周囲からの「やりすぎだよ」という意見に、単に天邪鬼になっていただけなのが発端かも知れないのだ。
でも今は、穏やかに家族と共に生きているという。
もしかしたら生まれ時間に、彼の最終的な破滅を回避する星があったのかも知れないとも思う。
ああ、誰か知りませんかねぇ。知りたいなぁ・・・
しかし、アリス・クーパーがシド・パレットの大ファンだったなんて、この本で初めて知った。
やっぱり生きててよかったな、と思える瞬間だ。
コメント