日記を読んでくれたABC小姐から、「ヒロがホンコンさんに似てるというのは言いすぎだったわ。体調の良い時はナカサコよ、でも浮腫んでどす黒い顔をしてた時は、やっぱあんな感じに見えたけど」と訂正が入った。(てか、訂正かい?)

ホンコンさん、ごめんなさい。あなたに向けての他意はありません。(T_T)

で、またまたランチを食べながらナイスなインストラクターの話になって、彼の事は「愛でる対象物」として大切にするというのを聞いて、なんか安心した。

これでも昔は「電信柱の陰で、アンパン片手にしゃがみ込んで、好きな男を待ちぶせるのが女の愛の道なのよっ」と豪語していたツワモノなのだ。

時代は、女を進化させる。

私達は共に、一人の男と住み続けること20数年。もうそれぞれの親と過ごした時間をはるかに越えて仕舞った。

なんでこんな長い時間を、一人の男と過ごす事が出来たんだろうか。

勿論、最初からこんないい関係だった筈も無い。

それはまるで、山から掘り出た大岩が、水の流れに乗って下ってくる間に、だんだん削れて小さくなり、石つぶてになり、砂利になり、そして砂になった。そんな感じだ。

そして、海の底に沈まないように、泥にならないように、常に気を配りながら、さらさらと、波打ち際を行ったり来たりしている。

そうして、お互いの一番安心する形に収まって、お互いを父のように母のように、息子や娘を見守るように、兄弟のようになって大切に大切に育てている。

だからこそ、安心して恋が出来るのだと、ABC小姐は言う。

帰る場所があるから、楽しく恋をして、その恋で生き生きする事が出来るのだと。

人により、それは肉体関係を伴うものかも知れないし、まったくのプラトニックなものなのかも知れないけど、どちらにせよ、家族という単位に対する考えは人それぞれなのだから強制は出来ないが、私達の定義する家族とは、つまり、こういった「自分がさらけ出ている状態でいられる空間を、共有したい相手といる場所」だ。勿論一緒にいる相手も同じ気持ちでいる事が条件だ。

愛でる対象物とは、所有する物ではない。

たとえ愛し合っている相手でも、「所有」する事は出来ない。

所有物になる事も出来ない。

調教だの教育だの、ふざけるなっだ。

お互いの人となりが、許せる・受け入れられる状態でない場所など、苦痛なだけ。

一方的に自分を認めてもらい、相手におんぶして負担を掛けている状態や、その反対なら、むしろ居ない方がいい。

香港映画「方世玉2」の中で、「あの人は酷い」と泣きついて来た息子の嫁に対して、世玉の母親が彼女を諭すシーンにこんなセリフがあった。

「男はスープみたいなものよ。若い内はなんの味もしなくて不味いけど、だんだん味が染み出てくると、なんだか良い感じに出来上がってくるものよ」

だから長い目で見て欲しいと。息子は人としてはまだまだなのだと。

「じゃぁ、煮詰まって蒸発しちゃったらどうするの?」と問いただした嫁に対して、母親はにべも無く答える。

「捨てて作り直せばいいだけよ」

サッパリしたものだ。でも、ホントにそう思う。

自分が掘り起こして転がし始めた岩が、なかなか転がらなくて悪戦苦闘して、それでも何とか調子良く転がり始めていくうちに、木にぶつかり溝に落ち、そうやってだんだんこなれて来たなぁ、と思っていたら、なんか違う削れ方をしていた場合・・・

その時点で、その岩を手放すのも、一つの選択だ。

そして、また別の岩を掘り起こすか、まったくそういった物には手をつけないでいるか。

どちらにせよ、他人が小さく扱い易くした物を横取りする事は出来ないだろう。

始まりは、いつもゼロからスタートなんだから。

パソコンの普及で、今まで出会うチャンスの無かったような人と出会う機会が増えたとよく言われるが、果たして本当にそうなんだろうか。

点と点、島と島を繋ぐケープルのように張り巡らされる、文字通りのインター・ネット。

でも、そのケーブルが最初から繋がっていたのに、単に気づかなかっただけなのかも知れないじゃない?

電源が入ってなかったと言うだけで。

ハイ出会いましたね。電源入りました。ピッピッピー

そして人と人が繋がっていく。現世での気の交流が活発になる。

昔から、出会いとは、そういったものだったのかも知れないよ。

パソコンがあろうが無かろうが、会う人とは会う運命なんだし。

そして宿命は変えられなくても、運命は変える事が出来る。動く運なんだから、自分でどうにでも出来るさ。

だから、家族の単位をどう捉えるのか、仲間というものをどう捉えるのか、本当に自分次第。前に道は無い。お手本なんて何も無いんだから。

自分の信じた道を、切り開いていくだけだよ。

スープだって、「自分の」ではなく「自分達の」好きな味にしていくには、それなりに時間がかかるものさね。

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