告別

2004年3月26日 エッセイ
術師のお父さんが、亡くなった。

昨日の朝早く、老衰で眠るような最後だったという。

術師が3歳の頃2人で海岸を歩いていた時、あの水平線の向こうには緑色のキリンだけがいる動物園があると、まことしやかに教えてくれたお茶目な人。

アケビの木を切ったら、ポケ〜っとした頭がスッキリしだした人。

70歳を越えてから、白髪が再び黒くなって来た不思議なおじいさん。

穏やかな顔で、この世から旅立って行ったという。

それはそれで、良かったんだと思う。

術師も、今はゆっくりとお父さんの霊と語り合っている事だろう。


最近訃報が多くて、なんだか気持ちも沈んで来る感じだ。

いかりやの長さん、太陽に吠えろの2人の刑事役の俳優、お母さん役の女優。なんか馴染みの有る顔がどんどん消えていく感じでさびしいなぁ。

古尾谷雅人もレスリー・チャンも、もう一周忌かぁ・・・。

こうやって、周りから知っている顔がいなくなって、でも自分はまだ死ねなくて、生きるってのにどんな意味があるのかと、しみじみ思う。

まぁ、一応前は向いてるんだけどね。

人は必ず一度は死ぬんだし、必ず来る事に思考を縛られるよりも、何が起こるか判らない事に思いを馳せて行きたいよなって、希望を失わないようにしようって、思うわけだ。

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