ピアニスト (ネタばれ有り・御注意されたし)
2004年3月16日 映画
DVD アミューズソフト販売 2003/12/05 ¥2,500
あまりに精神状態が酷くて物事がまともに考えられない時期に、「ビデオ占い」に熱中した事があった。
まるっきり無作為に、何の事前情報もなしに気になった作品を借りて観て、そこから今の自分へのヒントを得るという占いだ。
誰かに的確な言葉で言われるよりも、自分で探し当てていくという作業が私にはあっているみたいで、これはこれで結構役に立つ占い方法だった。
ケーブルに加入し映画観放題の環境になった為、今でも時々やっている。
・・・・・楽しい。
これもそんな状態の時に見た一本だ。
とに角気になって仕方がない作品だった。話の内容などは全く知らなかったのだが、何故か「見なければっ」という気持ちが強くて、手帳にメモしていた位なのだ。
見る必要があったんだと思う。
見ている内に、涙が溢れて止まらなくなってしまったのだ。
どこのどのシーンと言う訳ではなく、この作品からにじみ出てくる「凍りついた魂の悲鳴」に圧倒されて、気持ちが悪くなってしまったのだ。
泣かないでいるとパニックを起こす、というより、これを観ながら、私は明らかにパニック状態になっていたのだと思う。
なぜなら、彼女は以前の私だったからだ。
そして、今の私の中にも、まだ眠っていて心の底にこびりついている部分が残っているのを感じたからだ。
この映画の主人公の女は、私自身だ。
どこかで道を間違っていたら、こういう風になっていたと思う。
凍てついた魂を溶かす相手をも傷つけて、全てを憎み、全てにすがりつき、全てから逃げた主人公。
どうして人は、ここまで自分を追い詰めてしまえるんだろうか。
誰にあてつけて、自分を壊していくんだろう。
バス・ルームで、彼女が自分の局部をカミソリで切り付けるシーンでは、錯乱とまではさすがにいかなかったものの、号泣。だった。
リスト・カットはけっこう聞く。
えのく達も、夫婦でやってたし。
自傷行為の中でも、比較的わかり易い部分の傷となって残る手首切り。
見て欲しい。自分がこんなに傷付いているのだと、自分以外の人に知って欲しい。そんな心が、人から見え易い部分に傷をつけさせるのかも知れない。
そして、解り易く包帯を巻いて傷の存在証明をする。
良い悪いの問題ではない。
自分がこんなに傷ついているのを知って欲しいと願う気持ちは、誰にでもあるんだから。
でも、この映画の主人公は、誰にも見せない、解らない部分に傷をつけている。
出血が酷くてナプキンから溢れ、足元に血が垂れて来ても「おとななんだから、ちゃんと処理してなさい」と母親から怒られてしまうように上手くカモフラージュしてしまう。
自分が好きになった男に抱かれたい。そう思う自分を嫌悪しての自傷行為。
好きな男を一番恋い慕う敏感な部分を、文字通り切りつけてしまう、心に空いた埋められない大きな穴。
無表情な彼女は、もはや痛みも感じない。
感じる事すら出来なくなってしまっている。
人はどこまで自分を壊す事が出来るのか。
彼女を恋い慕う若い男が、もう少し「大人」だったら、彼女の心の氷を溶かす事が出来たんだろうか・・・。
でも、年上の女を恋い慕う男は、いつまでも未熟で、成熟を拒む部分が強い。
彼が彼女の本当の悲しみを知るのは、彼女が彼に心の底から助けを求めていたのを知るのは、もう二度と会えないと判ってからの事だろう。
物凄く辛い作品だ。
でも、観てよかったと思う。
素直になりたい。何事に対しても・・・
生きているうちに、そうなる事が出来るだろうか・・・
あまりに精神状態が酷くて物事がまともに考えられない時期に、「ビデオ占い」に熱中した事があった。
まるっきり無作為に、何の事前情報もなしに気になった作品を借りて観て、そこから今の自分へのヒントを得るという占いだ。
誰かに的確な言葉で言われるよりも、自分で探し当てていくという作業が私にはあっているみたいで、これはこれで結構役に立つ占い方法だった。
ケーブルに加入し映画観放題の環境になった為、今でも時々やっている。
・・・・・楽しい。
これもそんな状態の時に見た一本だ。
とに角気になって仕方がない作品だった。話の内容などは全く知らなかったのだが、何故か「見なければっ」という気持ちが強くて、手帳にメモしていた位なのだ。
見る必要があったんだと思う。
見ている内に、涙が溢れて止まらなくなってしまったのだ。
どこのどのシーンと言う訳ではなく、この作品からにじみ出てくる「凍りついた魂の悲鳴」に圧倒されて、気持ちが悪くなってしまったのだ。
泣かないでいるとパニックを起こす、というより、これを観ながら、私は明らかにパニック状態になっていたのだと思う。
なぜなら、彼女は以前の私だったからだ。
そして、今の私の中にも、まだ眠っていて心の底にこびりついている部分が残っているのを感じたからだ。
この映画の主人公の女は、私自身だ。
どこかで道を間違っていたら、こういう風になっていたと思う。
凍てついた魂を溶かす相手をも傷つけて、全てを憎み、全てにすがりつき、全てから逃げた主人公。
どうして人は、ここまで自分を追い詰めてしまえるんだろうか。
誰にあてつけて、自分を壊していくんだろう。
バス・ルームで、彼女が自分の局部をカミソリで切り付けるシーンでは、錯乱とまではさすがにいかなかったものの、号泣。だった。
リスト・カットはけっこう聞く。
えのく達も、夫婦でやってたし。
自傷行為の中でも、比較的わかり易い部分の傷となって残る手首切り。
見て欲しい。自分がこんなに傷付いているのだと、自分以外の人に知って欲しい。そんな心が、人から見え易い部分に傷をつけさせるのかも知れない。
そして、解り易く包帯を巻いて傷の存在証明をする。
良い悪いの問題ではない。
自分がこんなに傷ついているのを知って欲しいと願う気持ちは、誰にでもあるんだから。
でも、この映画の主人公は、誰にも見せない、解らない部分に傷をつけている。
出血が酷くてナプキンから溢れ、足元に血が垂れて来ても「おとななんだから、ちゃんと処理してなさい」と母親から怒られてしまうように上手くカモフラージュしてしまう。
自分が好きになった男に抱かれたい。そう思う自分を嫌悪しての自傷行為。
好きな男を一番恋い慕う敏感な部分を、文字通り切りつけてしまう、心に空いた埋められない大きな穴。
無表情な彼女は、もはや痛みも感じない。
感じる事すら出来なくなってしまっている。
人はどこまで自分を壊す事が出来るのか。
彼女を恋い慕う若い男が、もう少し「大人」だったら、彼女の心の氷を溶かす事が出来たんだろうか・・・。
でも、年上の女を恋い慕う男は、いつまでも未熟で、成熟を拒む部分が強い。
彼が彼女の本当の悲しみを知るのは、彼女が彼に心の底から助けを求めていたのを知るのは、もう二度と会えないと判ってからの事だろう。
物凄く辛い作品だ。
でも、観てよかったと思う。
素直になりたい。何事に対しても・・・
生きているうちに、そうなる事が出来るだろうか・・・
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