もう長い付き合いになる保険屋さんのリエコ・ママには1人の弟がいるのだが、この人が中々の頑固者で、なんというか、家族としては手を焼いているのだとか。
とても真面目な人で刑事問題を起こしたりしている訳ではなく、人に心を開いてくれないと言う意味で。
結婚をしないで実家に残り、高齢の母親の面倒を1人で見ていて、家のローンも払っているのだから何の文句も出ない筈なのだが、何かの歯車が狂っているのだとか。
ママのお母さんの調子が悪くなったのがたしか2000年の春頃。それからのママは、一週間に一度は片道2時間近くかけて実家に帰り様子を見ていたのだが、一年ぐらいたってからはデイでは間に合わなくなり、いわゆる「老健施設」に入所してもらって、現在に至っている。
その時も弟は反対していたのだとか。
お袋の面倒は俺が見ると意固地になって言っていたとか。
上に兄2人、下に弟1人の中の1人娘のママ。兄2人はすでに亡くなっていて、残された弟が頼りなのは確かなのだが、だからといって自分の人生を犠牲にしてまで親の面倒を見る事は無いと、会うたびに嘆いていた。
その頃から、弟の靴下が変に汚れて染みが出来てて気になると言っていた。
「水虫だっていうんだけど、あんなに汚れるもんなのかしら。随分長くかかってるし、薬塗っても治らないし・・・」
飲み友達は沢山いて、行き着けの居酒屋でのイベントなどでそれなりに楽しくやってはいるらしいんだけど、何か割り切れないやるせなさを会うたびに感じるのだとか。
ママの母親はかなり高齢になってから産んだ末っ子をとても可愛がっていて、早くに兄達が出て行った後残された男の子として、自然の流れで実家に残った。
父が亡くなってから突然母が家を建て替えると言い出して、洋館に住みたいという彼女の要求通りに結構な洋館を建てたのだが、ほどなく具合が悪くなり、あまり住まない内に病院住まいとになってしまった。
そのローンと母の入院費を捻出する為に弟は必死になって働いて、折角建てた家には寝に帰るだけの日々。
「意味ないよ。売っちゃえば ?」
思わず意見してしまった事がある。
リエコ・ママにしてみても、実家とは言えもう無いも等しい存在で思いは私と同じなのだが、いかんせん弟が意固地になっていて話にならない。
そうこうしている内に、彼の体調がとても悪くなってしまった。
原因は過剰なストレスと、娯楽の少ない生活な事は火を見るより明らかなのに、本人は耳を貸そうともしない。
心配なママがこの前実家を覗きに行ったら、ガランとした大きな洋館の人気の無い筈の室内の所々に、花などが飾ってあったとか。
「誰かと住んでるのかしら、幸せならいいけど、姉にも紹介出来ない人なのかしら」
話す声も沈んでいる。
オマケに最近700万の借金がある事が発覚して、ちょっとした騒ぎにもなった。
家のローンに消えたのか、何に使ったのかも、頑として言わない。
「足がね・・・、ずっと医者にも行かないで、勝手に水虫だと思って薬塗ってたあの足がね、どうも壊疽だったみたいなのよ。どうしてあんなになるまで我慢しちゃうのかしら」
壊疽は男性に多い病気だと聞いた事がある。
女性のレイノー症。
男性のバージャー病。
これらの血行障害を起こす病が、末端の血行を悪くして、細胞を破壊してしまう為に起こる病気だ。
酷い人になると、生きながら骨が見える程肉が腐ってしまうとか。
生きながら身体が腐って行く病。
ヒロもよく手足が冷たいと言っていて、凄く気になっていて、新聞に載ったバージャー病の記事をバレンタイン・チョコと一緒に送った事がある。
・・・送り返された、あの封筒ですら。(;_:)
ぼんぼん先生の治療院の住所も書いておいたんだけど、彼とぼんぼん先生は縁がなかったんだね。
まぁ、ヒロにそんな事は無いと思うけど・・・。
しかし、どうしてそんな恐ろしい病気になっちゃったの。
1人で頑張って、実家のために働いて働いて、56歳まで独身で真面目に生きて来た人が、どうして・・・。
自律訓練に出合った事で人間は身体の力を抜くのがなにより難しいのだと知った私には、全ての病は自分で自分の血行を阻害している為だと、言いきれる。
人は病に侵されるのではなく、病を呼ぶのだと
弟さんが少しでも姉の言葉に耳を傾けてくれていたら、ここまで酷い壊疽にはならなかったかも知れないが、それが彼の選んだ人生なのなら、仕方ないのかな・・・。
なんだか、切ないなぁ・・・。
とても真面目な人で刑事問題を起こしたりしている訳ではなく、人に心を開いてくれないと言う意味で。
結婚をしないで実家に残り、高齢の母親の面倒を1人で見ていて、家のローンも払っているのだから何の文句も出ない筈なのだが、何かの歯車が狂っているのだとか。
ママのお母さんの調子が悪くなったのがたしか2000年の春頃。それからのママは、一週間に一度は片道2時間近くかけて実家に帰り様子を見ていたのだが、一年ぐらいたってからはデイでは間に合わなくなり、いわゆる「老健施設」に入所してもらって、現在に至っている。
その時も弟は反対していたのだとか。
お袋の面倒は俺が見ると意固地になって言っていたとか。
上に兄2人、下に弟1人の中の1人娘のママ。兄2人はすでに亡くなっていて、残された弟が頼りなのは確かなのだが、だからといって自分の人生を犠牲にしてまで親の面倒を見る事は無いと、会うたびに嘆いていた。
その頃から、弟の靴下が変に汚れて染みが出来てて気になると言っていた。
「水虫だっていうんだけど、あんなに汚れるもんなのかしら。随分長くかかってるし、薬塗っても治らないし・・・」
飲み友達は沢山いて、行き着けの居酒屋でのイベントなどでそれなりに楽しくやってはいるらしいんだけど、何か割り切れないやるせなさを会うたびに感じるのだとか。
ママの母親はかなり高齢になってから産んだ末っ子をとても可愛がっていて、早くに兄達が出て行った後残された男の子として、自然の流れで実家に残った。
父が亡くなってから突然母が家を建て替えると言い出して、洋館に住みたいという彼女の要求通りに結構な洋館を建てたのだが、ほどなく具合が悪くなり、あまり住まない内に病院住まいとになってしまった。
そのローンと母の入院費を捻出する為に弟は必死になって働いて、折角建てた家には寝に帰るだけの日々。
「意味ないよ。売っちゃえば ?」
思わず意見してしまった事がある。
リエコ・ママにしてみても、実家とは言えもう無いも等しい存在で思いは私と同じなのだが、いかんせん弟が意固地になっていて話にならない。
そうこうしている内に、彼の体調がとても悪くなってしまった。
原因は過剰なストレスと、娯楽の少ない生活な事は火を見るより明らかなのに、本人は耳を貸そうともしない。
心配なママがこの前実家を覗きに行ったら、ガランとした大きな洋館の人気の無い筈の室内の所々に、花などが飾ってあったとか。
「誰かと住んでるのかしら、幸せならいいけど、姉にも紹介出来ない人なのかしら」
話す声も沈んでいる。
オマケに最近700万の借金がある事が発覚して、ちょっとした騒ぎにもなった。
家のローンに消えたのか、何に使ったのかも、頑として言わない。
「足がね・・・、ずっと医者にも行かないで、勝手に水虫だと思って薬塗ってたあの足がね、どうも壊疽だったみたいなのよ。どうしてあんなになるまで我慢しちゃうのかしら」
壊疽は男性に多い病気だと聞いた事がある。
女性のレイノー症。
男性のバージャー病。
これらの血行障害を起こす病が、末端の血行を悪くして、細胞を破壊してしまう為に起こる病気だ。
酷い人になると、生きながら骨が見える程肉が腐ってしまうとか。
生きながら身体が腐って行く病。
ヒロもよく手足が冷たいと言っていて、凄く気になっていて、新聞に載ったバージャー病の記事をバレンタイン・チョコと一緒に送った事がある。
・・・送り返された、あの封筒ですら。(;_:)
ぼんぼん先生の治療院の住所も書いておいたんだけど、彼とぼんぼん先生は縁がなかったんだね。
まぁ、ヒロにそんな事は無いと思うけど・・・。
しかし、どうしてそんな恐ろしい病気になっちゃったの。
1人で頑張って、実家のために働いて働いて、56歳まで独身で真面目に生きて来た人が、どうして・・・。
自律訓練に出合った事で人間は身体の力を抜くのがなにより難しいのだと知った私には、全ての病は自分で自分の血行を阻害している為だと、言いきれる。
人は病に侵されるのではなく、病を呼ぶのだと
弟さんが少しでも姉の言葉に耳を傾けてくれていたら、ここまで酷い壊疽にはならなかったかも知れないが、それが彼の選んだ人生なのなら、仕方ないのかな・・・。
なんだか、切ないなぁ・・・。
コメント