1977年のバレンタインの当日、東京に雪が積もった。

その日は期末試験最終日で、終了と共にダッシュで電車に乗り込み武道館に向かったのだった。

何処でセーラー服を着替えたのかはすっかり忘れてしまった。

どういう道順でたどり着いたのかも忘れたのに、それが「エンジェル」のコンサートだった事、オカザキとミギワとユカリが一緒だったのははっきりと覚えている。

武道館の中で渋谷陽一にサインしてもらったのも・・・。

お菓子のカールを食べながら大騒ぎしてて、近くの席に全身白ずくめの気取った感じの女がいて、それが妙に印象に残って、彼女がその二ヶ月後オカザキと同じ短大のクラスメートになって、紹介されて、その女「滋」と後々喧嘩しいしい27年間も友達続けるとは。

その時の三人とは、いつの間にか付き合いが無くなってしまっているのにねぇ。

コンサートが終わって外に出た私達が目にした真っ白な世界は、「エンジェル」の作り出す真っ白な天使の世界と重なって、まぁ、現役女高生としては十分感動モノだったのだ。少女趣味的に。

ジョディ・フォスター主演の「フォクシー・レディ」という映画の中にもエンジェルの白い世界が出て来る。バンドのメンパーとファンがみんな白い服着てるってだけなんですがの。(^^ゞ

その「滋」と喧嘩して10年間口を聞かなかった時期がある。ヒロと喧嘩して、奴が彼なりの「別れの文」なるものを送りつけて来た時、滋が10年振りに私に年賀状を書いて来て、ヒロの手紙と滋の葉書がポストの中でピタっとくっ付いていたのが、変に感慨深い。

別れと再会。出会いと別れ。

人の人生なんてこの繰り返しだ。

「あなたは女高生みたいだ」

ヒロは私をこう見下した。

見下したというより、罵倒したんだな、ハッキリ。


悪かったねえ、あなたの好きな「大人」でなくて。

ホント申し訳ありませんでした。

でも私はあなたの母親ではないし。

あなたのお姉さんでもないし。

単に年上の友達なだけだし。

女高生みたいって言われて、蔑まれる覚えないし。

多分死ぬまで、こんな出来損ないな女高生みたいな人でいるんだろうし。

腹が立って、腹が立つて、腹が立って、そして気がついた。

ようやく、今になって気がついた。

私は、ヒロのあの落ち着いたモノの見方や、考え方が好きだったんだって事に。

でも、奴は落ち着いている割に部分的には「幼い」。

私はいつも女高生みたいな行動を取るわりには、全体を見ると「そればかりでもない」。

誰にでも有るこの二面性。

positive & negative

だからこそ、人間的で良いんでないの。

今年のバレンタインは暖かかった。春一番なんかが吹いちゃって、チョコ溶けそうな気温だったよな。

そのバレンタイン一週間前に、なんでヒロのHPにたどり着いたんだろか。

それも突然。

ネット・サーフィンしてて、突然に。

ビックリした。これぞ正しくtempting heart=心動だ。

今年は年賀状の中に、謎の手作り民族楽器販売のDMが混ざってたり、ヒロと同じ年の、凄く良く似た人からパソメールが来たり、何かと変だ。

二年前、ヒロに送ったチョコをそっくり送り返されて大泣きしてた夜、k-1の中迫が前年の世界チャンビオンのハントをマットに沈める快挙を成し遂げていた。

中迫とヒロは何となく似ている。

顔とか、性格とかが。

・・・・・。

重ねても意味のない事なのに、何となく人が生きていく上での「約束」と言うか、「キマリごと」の存在を感じずにいられない。

こちらが動いている内は、そちらは動きません。ってね。

運命の歯車は、全体がスムーズに回るのではなく、どこかを止めて、どこかを動かして、さぁ、この人はどう行動しどう考えるでしようかと診ているな。そんな気がする。

アタマおかしいね。

でも、なんでこんな風に、一つが終わると一つが始まるんだろか。

終わりなら、終わりっぱなしでもいいのに。

そうはならない。

ある一定の比重になるまで、絶対に動かない歯車も存在する。

なんとなく、その重い歯車が、きしみながらも、ようやく動き出してくれたような感じがする。

身に覚えの無い事で散々悪者にされて、喧嘩して疎遠になっていた義妹との、今年に入ってからの末期癌患者と見舞い人としての関係。


友人の連帯保証人になったばかりに自己破産の憂き目に会い、人間不信から夫婦で酷い鬱病になったエノク達の、今年に入ってからの、この逆転満塁ホームラン的展開。


物凄い髭面の、結構白いものの混ざっちゃった髪のヒロが、笑ってる夢。

なりを潜めていた中迫の久々の試合。

本当に運命の歯車が動き出してくれたのなら、

どうか、ゆる〜くゆる〜く、のんびり動いて欲しい。

もう全開でブイブイ行く時期は過ぎましたでね。

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