朝の7時過ぎに、結構な揺れを感じる地震があった。

最近多いね〜、なんて言いながら、師父は特別講師があるので、いつもより一時間早く家を出て行き、朝食の後片付けをして、自分も用が有るのでサッサと出かけようと思っていたら・・・。


台所が妙に「熱い」


あつい? 熱いって何?


オマケにきな臭いじゃないの。
何処からか、消防車のサイレンが聞こえてくるし、と、ふと右側にあるお風呂場の窓に目をやると。

まっかっかよっーーーーー!!!!!!!!


え゛〜〜〜〜、何これーーーーー!!!!!

びっくりして窓を開けた私の目に飛び込んで来たのは、二軒隣の家の屋根を突き破って燃え盛っている炎の群れ!!!!!


ぎょえ〜〜〜!!!!!!!

二階建てアパートがひしめく低所得者御用達のこの地区の、さらに古くからある平屋の貸家二軒の内の一軒が丸焼け状態になっている。


火元の隣の二階建てアパートの人が、ネボケまなこで覗いているが、あれってどうよ。動けないのか君は!!!


って、実際に自分もそんなにテキバキ動けてはいないのだ。あまりの光景に半ば呆然と炎を見ているしかない。あの人もきっとそうなんだろう。うん。


幸いにも風は静かだったのだが、炎によって起こる火陣の渦が、物凄い煙と共に、西方のアパートを直撃しているではないか。


もし、今強い北風が吹いて来たら、炎と煙は確実に我が家まで届くだろう。実際窓から覗いて居るだけなのに、炎の熱が部屋の中にまでやってきているもの。


うわ〜、どうしよう、どうしよう。まだ寝巻きのままだし、髪の毛ボサボサだしーーー!!!


しかし、足がガクガクするものの、何かしなくちゃと、ヨロケ気味の頭で考える。


通帳と保険証券と印鑑、現金。えーとえーとそれからそれから・・・・・。


しばらく通帳とヌイグルミ達をかかえながらウロウロしてしまったよ。


あれだけの炎を前にすると、人は正常な判断が難しくなってしまうのだな。


でも、すぐに消防隊がやって来て、物凄い放水活動の後、漸く鎮火。


かっこいいなぁ〜。男前な仕事だわ。惚れる!!!


今度は、彼らの勇敢な活動に心を奪われ、寝巻きにボサボサ頭のまま、しばし見とれてしまったのだった。


火の元一軒を丸焼きにして火事は収まってくれたのだが、住民のおじいさんが頭に火傷を負い、飼い犬が焼死したとのこと。(合掌)


予定時間の20分過ぎに家を出ると、外には消防車が六台とまっていて、壮観な眺めだった。


電車にのって都内へ向かう。


火事の恐怖も覚めやらぬ内に、今度は約束の場所に向かう途中で、その場所に似つかわしくない大量の水音を耳にして立ち止まった。


見上げると、とあるビルの二階部分の踊り場から、水が派手に溢れ出ているではないか。


「はぁ?」と目を階段の方に移すと、そこはすでに「滝」と化していて、えらい勢いで道路まで水が流れ出している。


水道管がイカレたのかもしれないが、一日の内の、それも午前中だけで、地震・火事・洪水を体験出来た、貴重でヘンテコな一日だった。


何の因果か、その日に約束していたのはN損保の友人で、火災保険の更新の為。


保険に入っているので、焼けてもとりあえず生活には困らないのだが・・・・


でも、焼けてしまったら、思い出も一緒に焼けてしまう。お金では買えない物が、この部屋には溢れている。


人生、本当に、いつ何が起こるかわからない。

一期一会を大切にしたいと、シミジミ思ったのだった。



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