付いて 離れて

2003年11月15日
今日のデイで、精神障害の有る女性から

「あんた、いつも同じ歌ねっ!」と突っ込まれてしまった。

うっひゃ〜、その通りだすよ。実はこれには理由があるのだが、そんな事を彼女に言っても始まらないので、おどけた振りして「違うのもあるモンっ」とその場をのがれた。

同じ曲を歌い続けるというのは、痴呆の人の記憶にしつこく呼びかける必要があるからだ。でも痴呆ではなく精神障害の彼女には、少々飽きが来てしまうのも仕方がない事。

彼女がそんな文句を言ったのは今日が始めてだったが、他の人はどうだろうか。もし他の人の中にもそんな意見が出ているとしたら、「与えられた物を、与えられた状態で漫然と受ける」のではなく、自分の意見が出た事になる。


自己決定が出るようにならなければ、この音楽クラブの意味が無いのだ。


去年の暮れに始めた時、手振りも手拍子も取れなかった人が、一年かかって、自信の表情で「慣れたもんよっ」と言う感じでやっているのを見ると、本当に人間の細胞がくっ付くのって、長い時間がかかるんだなと思う。


脳血管や神経がキレるのは一瞬。でも、それから立ち直るのには、倍以上の時間がかかる。


嫌味を言われながらも、まだ暫くは同じ歌を歌わないと。


毎回毎回「あら、初めて聞くわ」とか言う人が、手振りは無意識に出来ているのを見ると、人間の可能性の無限を感じずには居られない。

そしてその人は言うのだ

「・・・どこかでやったかしら?」と。



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