音の響き

2003年10月31日
デイ・サービスで音楽ヘルパーをしている。

そこで、ひとりの女性から

「あなたの声はマイクを通さない方がずっといい。マイクを通したら駄目よ」

と言われた。

音楽を聴く時、ライブに勝るものは無いのだが、さらにアンプを通さない生音で聴くと、音の波長が直に響いて来るので、もっといい。

CDの音は整って綺麗に聞こえるけど、硬くて揺らぎが無くて、平坦な感じで、聞きすぎるとイライラして、誰かを殺したくなってくる。

それは水道の栓がゆるんだ時、規則正しく水がポタポタ落ちている音に似ている。

透明プラスチックの膜が皮膚をスッポリと覆う様で、長く聞くと毛穴が塞がる感じがして来て、不安定になって来る。


レコードはまだいい。多少は皮膚から体内に音が入り込んでくるのを感じる事が出来るから。


蓄音機は、音というより雑音の塊のようだが、あのグラグラとした揺らぎは、変に落ち着く。皮膚細胞の大きさに見合う形をしているのかな。身体が嫌がらない。

でも、やはりライブには敵わない。外からやって来た音の波と、自分の肉体から発する音の波が身体の中と外で対流を作り、細胞自体が活性化していくのが判るから。

大きな音でも小さな音でも、自分の細胞の大きさにあった揺らぎを持つ音なら、聞いていて気持ちが良いのは当然だ。

そうか、あの人にとって、私の出す音はちょうど良い揺らぎを持っていたのか。

良かった良かった。

音や気の波長が合うって大切だよね。

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