9・11

2003年9月11日
ニューヨークの、グランド・ゼロの対岸に、日本人がデザインした記念モニュメントが出来るそうだ。

題は「post card」

もう会えない人達に伝えたい思いを巨大なポストカードに託した作者の願いに、私は思わず泣いてしまった。

この世界中に一体何人、私の様にもう会えない人宛てに手紙を書き続けている人がいるんだろう。

感情はまるで波の様に寄せては帰り、作られた物語のようにはサッパリと切り捨ててしまう事などできはしない。

そうやって、薄くなり、また、形を変えて濃くなりながら、私の中に深い影を作っていく。

「まだ二年です・・・」ある消防士の妻が泣きながら言っていた。

そう、私にとってもまだ四年。大好きな人を喪失した悲しみは、何年たっても癒える物ではないという事を、私は身を持って知ってしまった。

だからこそ、ひとつひとつの出会いを大切にしていきたい。

いまは、もうそれだけでいい。

出会えたこと、それこそが奇跡・・・


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